研究課題/領域番号 |
22245038
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
松下 裕秀 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (60157302)
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研究分担者 |
高野 敦志 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (00236241)
川口 大輔 名古屋大学, 工学研究科, 講師 (70362267)
野呂 篤史 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (90377896)
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キーワード | 高分子系複合材料 / ブロック共重合体 / ジャイロイド構造 / ナノポーラス / ハイブリッド |
研究概要 |
最初に、分子量分布、組成分布がABC線状共重合体の構造構築に与える影響に関する研究を展開した。まず、組成分布はないが分子量分布を持つ系を、ラメラ構造を有する3種の単分散試料をブレンドする手法で作りだし、キャストフィルムのモルフォロジーを観察したところ、分子量分布の値が大きくなるにつれラメラ界面に一次元の周期的なうねりが発生すること、また分子量分布がある一定の臨界値を超えると、元の成分間でマクロスケールの相分離を起こすことを見出した。引き続き、分子量は一定だが組成分布を持つ系を同様に作り出して構造観察をしたところ、単分散系ではジャイロイド型の共連続構造を示すにも拘わらず、組成分布の上昇とともに柱状のドメイン構造に転移し、さらに組成分布が大きくなると柱の断面は次第に角張って四角柱に近い構造を示すことを明らかにした。これらの結果は、ブロック鎖にかかる歪みを解消するために、分子特性の異なる個々の分子が構造内で弱く局在化したために得られたと解釈している。 また、ポリビニルピリジンを含む2元ブロック共重合体に、塩化鉄をピリジン溶媒中で混合してピリジン基に金属塩を定量的に配位させ、ポリ2ビニルピリジン相に均一に混合させた。その際、塩化鉄の混合量を増やしてゆくとモルフォロジー転移が容易に起こることも付きとめた。さらにはエーテルの加水分解反応を利用した化学的操作を施すことで、ブロック共重合体の偏析力の調節を試み、弱偏析から中偏析を経て強偏析領域への変化に伴う相分離構造制御を実現した。
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