研究概要 |
高品質厚膜InGaNは、走査型レーザディスプレイ用ワットクラス緑色レーザダイオード、効率>250[1m/W],CRI>80の高効率暖白色LED、効率ドループの無い照明用LED,更に高In組成InGaN太陽電池シングルセルの実現,および現有のセル接合プロセス技術の融合により,50%以上の効率の太陽電池実現等、様々な応用展開が期待される。本申請者が平成15年から3年間実施した"基盤研究(A)、研究期間:H15~H17年度研究課題名:超ワイドギャップAlN系半導体の超高温エピタキシャル成長による低転位化とデバイス"によれば,GaNおよびAlNは,熱分解しない範囲内でMOVPE法での成長温度が高いほど結晶品質の高い結晶を成長できる。InGaNでも同様と考えられる。より高温でのInGaNの成長を実現するためには,より高い圧力下のMOVPE成長が必要である。本研究により、厚膜InGaN成長用として、圧力8気圧まで印加可能なMOVPE装置を製造した。InN用加圧MOVPE装置は、アメリカNASA研究所で試作された例はあるが、InGaN混晶成長が可能な装置は、今回が世界でも初めてである。原料部は従来の装置を流用し、バッファタンクおよび加圧ポンプシステムを用いて反応管のみを加圧できるようにした。 加圧MOVPE装置を用いてInGaN及びAlInN成長を行い、成長可能であることを確かめた。また、熱力学解析を行い、気相組成と固相組成の関係が熱力学解析通りになることを実験的に確かめた。特にAlInNに関しては世界で初めての成果である。
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