SOIウエーハ上のシリコン導波層に複数の光機能素子を形成し、シリコン細線導波路の強い光閉じ込め効果を利用した超小型なシリコン光機能回路の実現を目指す。シリコンでは実現が困難な発光機能と光非相反機能を実現するために、化合物半導体および磁気光学ガーネットを直接接合法によってシリコン導波路上に接合し、シリコン光回路で発光機能、非相反機能などを実現して高機能な光回路の開拓を目指す。 平成24年度は、表面活性化接合法を用いて磁気光学ガーネットをSOIウェーハ上に形成したシリコン細線導波路上の特定部分に接合する技術を確立し、これをもとに干渉導波路形光アイソレータ及び光サーキュレータのアレイをSOIウェーハ上で製作した。シリコン細線導波路を用いることによって、いずれも600×500 μm2程度の小型なデバイス構造で形成することができた。製作した光アイソレータで、従来の特性を大きく上回るアイソレーション30 dBを実現した。また、光サーキュレータでは、完全循環型の四端子サーキュレータ動作を実証し、最大のアイソレーションとして15 dBを得た。 さらに、送信光源と光アイソレータを集積化するために、半導体レーザの出力モード(TEモード)と光アイソレータの動作モード(TMモード)間の偏波整合を行うために、光アイソレータと同一のプロセスで製作することができるシリコン導波路TE-TMモード変換器を製作し、80%以上のモード変換率を実現した。これによって、光源と光アイソレータをシリコン光回路上に集積化する見通しができた。さらに、光/電気変換を行う場合に、アポタイズ回折格子によってシリコン細線導波路から受光デバイスへ結合させることで、無偏光の入射光を80%以上の効率で結合できることを明らかにした。
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