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2011 年度 実績報告書

表面・界面の機能と強度を支配するケモメカニクス場の解明と制御

研究課題

研究課題/領域番号 22246014
研究機関東京工業大学

研究代表者

岸本 喜久雄  東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (30111652)

キーワード界面強度 / 高分子材料 / ピール試験 / ナノインデンテーション / 逆問題解析 / 多軸駆動形はく離試験 / 引掻き試験 / 圧子接着試験
研究概要

近年の多くの工業製品は大型機器から電子デバイスに至るまで,優れた機能や性能を発揮するために積極的に各種の材料を組み合わせたマルチマテリアル構造体となっている.このような構造体においては,異なる材料同士の表面・界面の特性が,その性能を大きく支配することが知られており,優れたマルチマテリアル構造体を製造するためには,表面・界面の特性をいかに制御するのかが重要な課題となっている.本研究では,近年利用が高まっている高分子系多層薄膜構造体に焦点を絞り,その機能ならびにその強度を支配する表面・界面の化学的・力学的場(ケモメカニクス場)を実験的に究明するとともに,ミクロ階層構造を考慮したケモメカニクス場の解析手法を提示し,界面構造の最適設計手法を確立することを目的として研究を進めた.高分子基板上に高分子薄膜を形成させたモデル試験片について,作成した多軸駆動形はく離試験機や引掻き試験機により界面強度特性の評価を行うとともに,界面の損傷やはく離の進行過程ならびに剥離面の観察を行った.とくに,剥離材の厚さの影響を受けることについて検討を進め,その結果,試験条件によっては不安定はく離が生じ,評価が困難となる場合が存在することを見出すとともに,その要因について解明を試みた.さらに,ナノインデンテーション試験に逆問題解析を組み合わせることで,表面・界面の力学的特性を評価法する手法ならびに圧子押しつけ試験による界面接着・剥離挙動についてその場観察の試験について検討を行った.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

作成した多軸駆動形はく離試験機や引掻き試験機により界面強度特性が精度良く評価できるとともに,界面の損傷やはく離の進行過程の微視的な観察により,剥離材の厚さによって挙動が異なること,また,圧子押しつけ試験により剥離挙動についてのその場観察を実現したことなどから,おおむね順調に進展していると評価した.

今後の研究の推進方策

これまでの研究により,界面の強度特性について様々な知見が得られたが,最終年度においては,ミクロ階層構造を考慮した解析手法をさらに洗練させるとともに,界面構造の最適設計法について有用な知見を得るべく研究をさらに進展させたい.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Investigation of the correlation between IC chip pick-up performance and peeling behavior of adhesive tapes2011

    • 著者名/発表者名
      N.Saiki, K.Inaba, K.Kishimoto, H.Senoo, K.Takahashi
    • 雑誌名

      Key Engineering Materials

      巻: 462-463 ページ: 807-811

    • 査読あり
  • [学会発表] Evaluation of protective film by scratch test2011

    • 著者名/発表者名
      S.KUMAGAI, K.INABA1, K.KISHIMOTO
    • 学会等名
      EMAP2011
    • 発表場所
      Kyoto, Japan
    • 年月日
      2011-12-08
  • [学会発表] Evaluation of reliability of film adhesives in semiconductor packages2011

    • 著者名/発表者名
      N.Saiki, K.Inaba, K. Kishimoto, H.Senoo, K..Takahashi
    • 学会等名
      Inter PACK 2011
    • 発表場所
      Portland Oregon, USA
    • 年月日
      2011-07-08

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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