研究概要 |
ナノ三次元計測では,ナノ計測およびナノ標準に対して,誤差分離,標準,不確かさ推定および計測機器の自己校正の技術を体系化することが必要である.ナノ計測では,誤差分離や自己校正を利用した不確かさ推定理論の体系化と,これを光ナノ三次元計測へ適用する実験的な実証を行った.ナノ標準では,ナノ三次元計測に必要なピッチ,段差,線幅などの標準の校正において,校正を行う測定機器を含めた不確かさ評価ソフトウェアの開発を行った. まず,ナノ計測における不確かさ推定理論の体系化により,ナノ標準を利用した測定機の校正作業を行った.測定機の運動学パラメータの不確かさを推定し,測定機および測定対象の不確かさによる測定点の不確かさを求めた,これにより,測定戦略を含めた最終的な不確かさが評価することができた.また,各測定点における測定の不確かさの要因を,校正による不確かさ,測定形状による不確かさ,測定環境による不確かさなどを分散分析によって明らかにした. つぎに,新しい光学的手法を利用したナノ三次元測定に関して,より高精度な測定とその不確かさの評価手法の確立を目指し,設計および開発を行った.このシステムをナノ三次元計測の実施例として開発し,理論的な不確かさ推定と合わせて,ナノ三次元形状測定を広い範囲(100mm×100mm),高精度(高さ分解能10nm)で実施するための基礎的検討を行った.つぎに,広い範囲を測定するために,オートコリメータを用いた走査ステージの誤差を分離する多点法の手法を2.5次元へ拡大するための基礎的な実験装置を構築した.
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