研究課題/領域番号 |
22246016
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高増 潔 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70154896)
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研究分担者 |
松本 弘一 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00358045)
高橋 哲 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30283724)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ナノメートル計測 / 三次元計測 / 不確かさ推定 / 形状測定 |
研究概要 |
日本のものづくりの優位性を活かしながら次世代ものづくりの高度化を実現するには,部品の形状精度をナノスケール化することで,機械部品,半導体,光素子に高付加価値な機能を付与するナノスケールものづくりが不可欠となる.ナノ三次元計測では,誤差分離,標準,不確かさ推定,計測機器の自己校正の技術を体系化することが必要である. 当該年度では,まず,ナノ計測における不確かさ推定理論の体系化により,ナノ標準を利用した測定機の校正作業を行い,この測定に対応した不確かさ推定シミュレーションソフトウェアを開発した.測定機の運動学パラメータの不確かさを推定し,測定機および測定対象の不確かさによる測定点の不確かさを求めた,これにより,測定戦略を含めた最終的な不確かさが評価することができた. つぎに,角度計測による新しい光学的手法を利用したナノ三次元測定に関して,より高精度な測定とその不確かさの評価手法の確立を目指し,設計および開発を行った.このシステムでは,移動精度が低い安価なステージを利用しても,ナノメートル不確かさの形状測定ができることを理論的に示し,予備実験を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
まず,不確かさ推定理論の体系化とシミュレーションソフトウェアの開発は,ほほ完成し,これを新しい対象へと適用する段階に達している.このシミュレーションにより,ナノ三次元計測における不確かさ推定理論の体系化を行い,ナノ標準を利用した測定機の校正作業により,有効性が確認できている. つぎに,新しい光学的手法を利用したナノ三次元測定に関して,より高精度な測定と,その不確かさの評価手法の確立が予備実験では達成できている.このシステム全体の不確かさ評価を理論的および実験的に行い,理論体系を実証する.
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今後の研究の推進方策 |
2つの大きなテーマについて,以下のように研究の推進を行う. 1. 不確かさ推定理論の体系化とシミュレーションソフトウェアの開発と適用では,ナノ三次元計測における不確かさ推定理論の体系化を引き続き行う.さらに,開発したシミュレーション手法を,他の測定システムへも適用を行い,その有効性をより確かなものとする. 2. 光学的ナノ三次元形状測定の基礎実験では,角度計測を使った新しい光学的手法によるナノ三次元測定に関して,より高精度な測定と,その不確かさの評価手法の確立を目指す.このシステムをナノ三次元計測の実施例として開発し,理論的な不確かさ推定と合わせて,その有効性を実証する.
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