研究概要 |
プラスチック部品の表面を加飾するシボは,従来,エッチング加工によって金型に凹凸を付けることによって行われて来たが,様々な問題があり,シボのデザインから加工までを一貫してコンピュータで行うデジタルシボ技術の開発が求められている。本研究ではデジタルシボの設計支援ツールについて研究を行うもので、特にX線CT装置の課題を克服してシボ計測を高精度で効率よく行うため技術と,それをもとに部品表面全体に合成・展開する方法について研究を行う。 昨年度までにX線マイクロフォーカスCT装置(島津製作所製SMX-90CTはデスクトップ型の装置)を導入し、シボサンプルを計測する手法やノウハウについて蓄積している。さらに解像度を向上させるために、超解像手法を試みたが、まだ十分な性能を実現するに至らなかった。大きな原因としては、超解像以前の問題として、CT特有のアーチファクトが発生し、画質が劣化することが挙げられる。シボサンプルは平板上に形成されているので、どうしてもサンプルのアスペクト比が大きくなり、長手方向にビームハードニングが著しく発生する。これに対応するために、XCTから得るサイノグラムという再構成前の投影画像を活用する方法についてもアイデアが生まれ、予備的な実験で良好な結果を得ている。また、小面積のシボ凹凸データを入力シボデータとして,大面積のシボデータを合成するシボ合成とについては、昨年度は品質を向上させる手法にいて研究を行い、シボ合成手法に対して、様々なパラメタを用いて合成することによって、品質にクリティカルなパラメタの同定を試みた。特に、合成アルゴリムに入力する距離画像と呼ばれるものが重要であることが分かった。
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