研究課題
プラスチック部品の表面に凹凸を付けて加飾模様のことをシボという。シボは、手作業によって金型表面にエッチング加工を施して製作されてきたが、化学的な処理であるために、シボ形状の細部までをきめ細かく制御することができず、意匠性の高いシボを実現することが難しかった。近年、シボ加工がNC装置によって可能になってきたために、シボのデザインから加工までを一貫してコンピュータで行うデジタルシボ技術の開発が進んでいる。その中でも重要な技術は、シボ模様のデータを現物の皮革などの表面凹凸をスキャンして取得する技術である。本研究ではX線CT装置によってスキャンする方法について研究を行っている。この測定では測定精度の問題は存在するが、従来の触針式にくらべて圧倒的にスキャン時間が短く、光学式に対してはオクルージョンなどの問題がないという特長がある。本研究では最初に測定精度を高精度化する課題を扱った。ここでは最初超過像法を適用したが、X線CTのアーチファクトの影響が大きく失敗し、アーチファクト問題の解決をおこなった。また、実際にはスキャンしたサンプルの面積よりも、シボを適用したい製品面の面積のほうが大きい場合がほとんどであり、小面積の測定データから大面積のシボを自然に合成する手法を、テクスチャシンセシスという手法によって開発した。本年度は最終年度として、皮シボ以外の材質(織物)や岩石などにも適用する実験を行い、適用上の問題や計算上の問題について検討した。また、本研究で作成したデータを実際の製品への適用を試みた。スマートホンのカバーを作成しているメーカーに対して、本研究で作成した皮シボデータを提供し、それによってカバーを作成した。データから金型加工用のNCデータを生成し、それを金型に適用してプラスチック成形を行い、有効性を確認することができた。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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