研究課題/領域番号 |
22246031
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
初澤 毅 東京工業大学, 精密工学研究所, 教授 (70272721)
|
研究分担者 |
柳田 保子 東京工業大学, 精密工学研究所, 准教授 (10282849)
|
研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | マイクロ・ナノメカトロニクス / バイオメカトロニクス / ナノワイヤ / DNA |
研究概要 |
本研究の目的は,フォトリソグラフィーに代わるナノパターン自己創生技術として,MEMSナノドットリソグラフィー加工技術と遺伝情報物質であるDNAを用いたナノワイヤ作製技術を開発することである.本年度の研究実績は以下のとおりである. 1.DNA末端の電極上への固定方法について,以下の2法について実験的に検証を進めた.:a)電気泳動とメニスカス力による伸長固定: DNAを含んだ溶液に電極を置き,直流通電して正極にDNAを引き寄せるとともに,液面を下降するメカニズムを用いて,メニスカスに沿ってDNAが伸長されるようにした.その結果,DNAの電極への引き寄せは可能であったが,より強い電場が必要であることが分かった.また,電場を強くすると電極の溶解(電気分解)が起こり,直流通電はあまり適していないことが明らかになった. b)誘電泳動を用いたDNA伸長固定:交流電界によるDNAの伸長固定を行い,電極間にDNAを架橋する手法として有望であることを明らかにした.また理論的な解析も行い,DNAの伸長メカニズムと電極への移動メカニズムについて考察し,2つの現象が同時に起こるモデルを構築した. 2.架橋したDNAの電気特性:電極間に架橋したDNAを銀めっきし,微小電流計(科研費で購入)により電気的特性を調べた.めっき前後で電気的特性が異なり,銀メッキの効果が明らかになるとともに,電圧に対して非対称である特性が観察された.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
電極間へのDNAの架橋およびナノワイヤ化したDNAの物性計測を行っており,電気配線としてのナノパターン創製技術の可能性を明らかにした.また,国際会議発表も行った.
|
今後の研究の推進方策 |
最終年度である本年は,DNAの断端形状の相違による選択的位置決めについて,実験的に検証する.このため,画像観察系の整備を行う.また成果発表については,適時発表を行う.
|