研究課題/領域番号 |
22246045
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
田中 徹 東北大学, 大学院・医工学研究科, 教授 (40417382)
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研究分担者 |
富田 浩史 東北大学, 国際高等研究教育機構, 准教授 (40302088)
福島 誉史 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 准教授 (10374969)
清山 浩司 長崎総合科学大学, 工学部, 講師 (60412722)
小柳 光正 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (60205531)
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キーワード | 医用マイクロ・ナノシステム / 人工網膜 / 三次元集積回路 / 低消費電力 / 生体適合性 / Cyclic Voltammetry / Charge Injection Capacity |
研究概要 |
1.LSIチップ積層化・埋め込み部品集積化 (1)LSIチップへのシリコン貫通配線(TSV)作製技術開発:チップ裏面からTSVを形成する裏面ビアプロセスを構築した。これにより直径5μm、深さ15μmの低抵抗Cu-TSVを作製することに成功した。 (2)網膜刺激電極材料の決定と作製プロセス技術開発:Au、Pt、Ir、IrOxを用いた刺激電極の作製プロセスを構築した。Cyclic Voltammetry測定により各電極の電荷供給能力(CIC)を評価し、IrOxを用いることで従来から使用されているPtの2倍のCICを得ることに成功した。 (3)刺激電極付きフレキシブルケーブル作製プロセス技術開発:湾曲している網膜表面に高効率で電荷供給可能なピラー型刺激電極付きフレキシブルケーブルの作製プロセスを構築した。チップから網膜への距離に応じてピラー高さを調整可能であり、人工網膜直下の網膜のどの部位にも均等に接触し、効率的に電荷を供給することに成功した。 2.人工網膜LSI回路技術 両極性刺激電極生成回路の容量値の最適化及びOTA回路の改良を行い、3mm角チップで576ピクセルの単層人工網膜LSIを設計し試作を完了した。当該LSIが完動することを確認し、光電変換の詳細な特性を評価中である。また、視覚のエッジ強調機能を模擬する回路の検討を行い、Laplacian変換機能が人工網膜に最適であることを示した。実際にLaplacian変換機能を有する積層人工網膜LSIの設計を行い、来年度早々に試作に入る。 3.眼球内埋め込み部品の生物・臨床評価:刺激電極付きフレキシブルケーブルをウサギ眼球内に3ヶ月間埋め込んで、表面刺激型人工網膜におけるケーブル固定方法が網膜細胞に及ぼす影響を評価した。網膜タックによるケーブル固定では、タック直近の細胞の経時変化が大きいことを明らかにした。タック数の異なる固定方法も検討し、細胞への影響と刺激効率の観点から、表面刺激型には対辺上の2点固定が適していることを示した。
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