研究課題
本研究では,複数の駆動用及び操舵用のモータを最適に制御することにより,電気自動車(EV)の一充電走行距離を飛躍的に伸ばすことを可能とする制御システムを開発した。さらに代表者がこれまでに開発したモータの高制御性を利用した運動制御技術と,本制御系を有機的に組み合わせ,安全で高効率なEVシステムを開発した。その最適な駆動方式を学術的に明らかにするために,同一車両で様々な駆動方式を公平に比較を行うことが可能な「サブユニット方式」を有する世界唯一のEVを試作した。昨年度までに,航続距離延長制御システムの理論を開発し,試作車の大部分を完成させ,実証実験を実施した。さらに,インホイールモータや車載モータなど機構の異なるサブユニットを複数製作し,それぞれの構成に応じた航続距離延長制御システムを開発した。最終年度である今年度は,試作車を完成させ,開発した制御系の最終評価を実験的に行い,成果を取りまとめた。より具体的に今年度は,まず開発した航続距離延長制御法において,インバータ損失,モータの鉄損・銅損,スリップ率に起因する損失といった,より詳細な損失分離を行い,さらなる性能向上を達成した。また,より多様な操舵パターンに対してコーナリング抵抗最小化制御の評価を行った。さらに,デフギアユニットに対して開発をした,ドライブシャフト共振抑制制御の最終評価を行い,インホイール方式との比較データをまとめた。また本研究の成果をいち早く社会に還元するために,産業界との共同研究を推進して,実用化に向けた課題解決に取り組んだ。本研究の成果は産業界が新しいEVの研究開発を行うのに極めて有用になるはずで,より航続距離が長く,かつより安全な電気自動車の研究開発が加速されるものと大いに期待する。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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