研究課題/領域番号 |
22246062
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
小國 健二 慶應義塾大学, 理工学部, 准教授 (20323652)
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研究分担者 |
佐伯 昌之 東京理科大学, 理工学部, 講師 (70385516)
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キーワード | センサネットワーク / 実空間シミュレーション / インフラ防災 / 都市環境制御 |
研究概要 |
本研究では、都市全域を対象としたインフラ防災・環境制御システムの構築を最終目標とし、都市全域を覆う無線センサネットワークによる実空間情報の生成手法の開発、制御デバイス群の都市全域への適切な分散配置・実空間情報に基づく協調制御手法の開発を行う。具体的には、無線センサネットワークを、実空間の生データ計測と物理シミュレーションの統合による実空間情報生成のための分散処理装置と位置付け、非常時にも平常時にも利用可能な社会基盤設備としてのセンサネットワークの構築を目指す。より具体的には、インフラ防災(非常時)と環境制御(平常時)に資する情報を生成するセンサネットワークの構築を目指す。 本年度は、平常時の粗い計測・計算を処理する省電力CPUと災害時の高精度計測・高速演算処理を担う高機能CPUの両者を搭載し、必要に応じて切り替わるハイブリッド・センサノードのプロトタイプに実装するための組み込みプログラムの開発を行った。これを実装したセンサノードによるネットワークを形成し、ネットワークとしての動作確認・通信安定性の検証・様々な物理量の計測の精度検証のための実験を行った。特に、センサノード間の距離・設置密度・周辺の遮蔽物の配置など、無線通信の制約条件を洗い出し、実際の構造物に展開する時のための知見を蓄えることができた。また,このセンサノードを用いたシステムを長時間駆動させるための太陽電池充電機能の仕様検討にも着手した。更に、当初計画以外の成果として、消費電力を抑制しながらGPS測位解析の信頼性を向上させるために、参照点ノードの測位データの多様化を担保する測位解析アルゴリズムの新規開発にも成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
平成23年度に予定していたセンサノード試作機の性能検証に関して、詳細かつ綿密な実験を行った。 また、太陽電池によるバッテリー充電機能の仕様検討にも着手し、いくつかの充電装置に関する検討を行った。 以上、当初計画していた研究については極めて順調に推移している。これに加えて、センサノード上に実装するGPS測位手法に関して得た新しい知見により、センサノードの位置決定精度と安定性が向上した。この点は当初の計画には入っていない付加的な成果であり、これをもって「当初計画以上の進展」と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
現時点までの研究活動は極めて順調に推移しているため、研究計画の変更・問題点は存在しない。今後も、当初計画に従って研究を推進する。センサノードのハードウェアの設計は当初計画以上の速さで進捗しているため、ソフトウェアの開発に当初計画以上の労力を投入できる。完成度の高いシステムの構築を目指す。
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