研究課題/領域番号 |
22246062
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
小國 健二 慶應義塾大学, 理工学部, 准教授 (20323652)
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研究分担者 |
佐伯 昌之 東京理科大学, 理工学部, 准教授 (70385516)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | センサネットワーク / 実空間シミュレーション / インフラ防災 / 都市環境制御 |
研究概要 |
本研究では、都市全域を対象としたインフラ防災・環境制御システムの構築を最終目標とし、都市全域を覆う無線センサネットワークによる実空間情報の生成手法の開発、制御デバイス群の都市全域への適切な分散配置・実空間情報に基づく協調制御手法の開発を行う。具体的には、無線センサネットワークを、実空間の生データ計測と物理シミュレーションの統合による実空間情報生成のための分散処理装置と位置付け、非常時にも平常時にも利用可能な社会基盤設備としてのセンサネットワークの構築を目指す。より具体的には、インフラ防災(非常時)と環境制御(平常時)に資する情報を生成するセンサネットワークの構築を目指す。 本年度は、太陽電池充電機能の仕様策定のための実験を行い、太陽電池によるバッテリー充電機能の仕様を確定した。また、ハイブリッド・センサノードで生成した都市環境に関する情報と、地震などの際の被害状況に関する情報をGIS(地理情報システム)に反映するための「インフラ防災・都市環境レイヤー」により、リアルタイムで情報を集約する仕組みを作成した。都市環境制御のためには、多点計測された日照・温度・湿度・風況などの計測データに基づいて数分後,数時間後の都市環境の状況を予測するシミュレーション手法が必要であるが、このシミュレーションのためには、都市の地形や構造物の形状などの詳細なデータを作製する必要がある。GISデータから自動的にシミュレーションモデルを生成する手法も開発した。更に、GPS測位解析アルゴリズムに改良を加え、消費電力を抑制しながらGPS測位解析の信頼性と精度を向上させることにも成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
平成24年度に予定していたハイブリッド・センサノードの省電力化のためのアルゴリズム開発と、性能検証実験を行った。また、「インフラ防災・都市環境レイヤー」により、リアルタイムで情報を集約する仕組みも作成した。GPS測位解析アルゴリズムに改良を加え、消費電力を抑制しながらGPS測位解析の信頼性と精度を向上させることにも成功した。 以上、当初計画していた研究については極めて順調に推移している。これに加えて、都市環境制御のために必要不可欠なシミュレーションモデルの自動生成手法も開発した。この点は当初の計画には入っていない付加的な成果であり、これをもって「当初計画以上の進展」と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
現時点までの研究活動は極めて順調に推移しているため、研究計画の変更・問題点は存在しない。今後も、当初計画に従って研究を推進する。センサノードのハードウェアの設計および性能改善は当初計画以上の速さで進捗しているため、実証実験に当初計画以上の労力を投入できる。実際に使用する際の問題点を詳細に洗い出し、完成度の高いシステムの構築を目指す。
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