研究課題
本研究では、新たな鉛直プロファイルモニタリングシステムを開発し、それを用いて、微細粒径土砂成分等の陸域からの輸送を定量評価することで、沿岸域における水質モニタリングを高精度化すると同時に、沿岸域における物質循環を、微細粒径土砂成分も含んで明らかにすることを目的にしている。モニタリングシステムの特徴は、既往の機器を効率よく連携させること、また、鉛直プロファイルの測定を可能にするところにある。上記のモニタリングシステムを実現するに辺り、流入土砂フラックスを定量化するための試みとして、水質観測システムを東京湾の台場保安部桟橋に設置して、現在もモニタリングを継続中である。観測においては、降雨時のイベント的な土砂輸送を捉えるために、10分間隔で、モニタリングを実施しその結果をテレメトリーシステムで送信している。測定においてはHADCPを用いた反射音波強度によるSS推定とHADCPにより得られた流速から、土砂フラックスの算定を試みている。同時にこれらを補うため、YSI6600等により、クロロフィル蛍光・濁度・DO・水温・塩分等を測定している。また、それらを補足するために2週間に一回程度の頻度で現地観測を年間数回行い、採水したサンプルからSSや濁度を測定し、超音波によるSS推定値と実測値とのの関係式を作成した。また定点の流速から流量を算定するための観測を実施している。観測は現在も継続中であるが、3月11日の津波により観測機器が被害を受け、現在これらの復旧を行っている。またプロファイル計測システムについては、浮力を調整することで、観測機器を上下に移動するシステムの開発を行っている。
すべて 2010 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)
土木学会論文集B2(海岸工学)
巻: 66, No.1 ページ: 1026-1030
日本リモートセンシング学会第48回学術講演会論文集
ページ: 207-208
巻: 66, No.1 ページ: 1036-1040
http://www.coastal-env.k.u-tokyo.ac.jp/