研究課題/領域番号 |
22246066
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田中 賢治 京都大学, 防災研究所, 准教授 (30283625)
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研究分担者 |
鼎 信次郎 東京工業大学, 情報理工学研究科, 准教授 (20313108)
樋口 篤志 千葉大学, 環境リモートセンシング研究センター, 准教授 (90324384)
篠田 太郎 名古屋大学, 地球水循環研究センター, 助教 (50335022)
山田 朋人 北海道大学, 工学研究科, 准教授 (10554959)
萬 和明 京都大学, 工学研究科, 助教 (90554212)
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キーワード | 雲解像モデル / 衛星植生観測情報 / 陸面状態 / モンスーン / 双方向ネスティング |
研究概要 |
1.各感度実験に対応した陸面過程モデルのパラメータ設定 植生観測情報をもとに、陸面過程モデルSiBUCで使用する様々なパラメータを整備した。雲解像モデルによる様々な数値実験では、対象とする現象や領域の大きさに応じて1kmから数kmの格子サイズが設定されることになるが、ここではまず、衛星データのピクセルサイズにおいて植生パラメータを整備しておく。次に、雲解像モデルの格子位置に合わせ、植生パラメータを植生タイル毎に集約する。ここで、整備すべきパラメータセットは1通りではなく、衛星観測情報をそのまま活用した、いわば「真実」の場として、計算対象年の陸面状態をできるだけ正確に表現するためのパラメータセット、モンスーン変動に呼応した植生活動の年々変動の影響を除去し、平均的な季節変化を与える気候値的なパラメータセットなど、様々な数値実験の目的に合わせた陸面パラメータを複数セット整備した。 2.モデルの更新 雲解像モデルCReSSのバージョン3.4への更新に伴い、最新版の結合モデルの開発を進めた。陸面過程モデルSiBUCについてもここ数年の畑地灌?スキームや積雪融雪過程の更新を結合モデルに反映することにした。CReSS-SiBUCの結合部分の調整などのモデル本体の更新に加え、地表面パラメータ作成などのプリプロセッサ部分の更新が必要で、モデルの更新にはかなりの時間を要し起CReSSの最新版への更新により、長期積分を行う際にネックとなっていた大気放射過程が強化され、本研究で対象とするモンスーンの開始から終了にかけての連続計算が可能となった。 3.MIROC-CReSiBUC 2-way nestingモデリングシステムの開発 全球モデルMIROCとCReSSの2-way nestingモデルにSiBUCを結合したMIROC-CReSiBUC 2-way nestingモデリングシステムの開発を進めた。 4.陸面状態アノマリーの分析 MODISデータの解析により、地表面温度の平年値からの偏差が大きな地域と時期を特定した。この情報は、最終年度に実施する数値実験をデザインする上で重要であり、またモデル出力値の検証情報としても活用される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
モデルの更新に多くの時間を費やし、数値シミュレーションをあまり実行できていないが、本研究が対象とする時間スケールからすると、本質的に重要なステップであったと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
効果的に数値実験を設定、実行し、また結果を持ち寄り追加実験を設定、実行するために、定期的にメンバーが一堂に会する場を設ける。
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