研究課題/領域番号 |
22246069
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
味埜 俊 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (60166098)
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研究分担者 |
佐藤 弘泰 東京大学, 新領域創成科学研究科, 准教授 (90251347)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 有機物一時貯蔵 / 下水処理 / 活性汚泥 / 省エネルギー / 高速シークエンシング / 微生物群集構造 / 生物学的リン除去 / 栄養塩循環 |
研究概要 |
本研究では微生物の持つ有機物一時貯蔵能力を活用しての下水処理におけるエネルギー効率の改善という実用的な側面と、その基礎となる微生物群集の把握とモデル化という基礎的な側面の二つに取り組んだ。応用の方面として、A)FAREWELプロセス、B)電力消費シフト、C)下水管内処理、また、これらを支える基礎面での検討として、D)微生物群集構造の評価、E)数値モデルの開発、に取り組んだ。特に本年度は1) 実下水を用いて活性汚泥等微生物のもつ吸着能力の評価、および、2) 活性汚泥微生物の生産する化学物質による微生物群集構造の変化の把握の2点に取り組んだ。 1)については、複数の処理系列を持つ実下水処理場の各槽から活性汚泥を採取し下水と混合する回分試験を行い、除去COD量と累積酸素消費量との差から吸着的に除去された有機物の量を評価した。極端に大きなF/M比で実験し、汚泥バイオマス量の最大30%程度に相当する有機物を非酸化的かつ数時間のうちに除去することができることがわかった。また、特に最初の10分程度で下水中のCODが極めて急速に除去されることを確認した。2)については活性汚泥中のアレロパシー活性(汚泥中の化学物質が活性汚泥の微生物群集構造を変える活性)の消長およびその影響の現れ方について検討した。検討に用いた活性汚泥プロセスの汚泥には、アレロパシー活性は常にわずかだが検出されたが、ある時期に非常に強い活性が検出された。また、その時期の汚泥からの抽出物質を用いて微生物群集構造の変化が観察されるまでの時間を調べ、変化は数時間で起こることを見いだした。 以上、および昨年度までの結果から、1) 活性汚泥中の微生物生態系について新たな側面を明らかにし、また、2) 微生物の持つ有機物一時貯蔵能力を廃水処理のエネルギー効率を改善するために活用する方法を提案し、その有用性を検証するとともにモデル化した。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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