本研究では微生物の生態に着目し、エネルギー効率のよい下水処理技術を開発することを目的とした。活性汚泥を高負荷で下水と接触させることでわずかな酸素消費量で効果的に有機物除去をできること、微生物細胞内に蓄積された一時貯蔵物質は汚泥濃縮工程では分解せず一方嫌気性消化槽では容易にメタン化されることを確認し、以上に基づいて新たな活性汚泥変法を提案した。また、エネルギー需要のピークカットに資する活性汚泥プロセスの運転法を検討した。また、活性汚泥微生物生態系についての基礎的知見として、バクテリオファージの挙動の解析と溶菌された宿主を同定する試み、および、化学物質を介した微生物間相互作用について検討した。
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