研究課題/領域番号 |
22246073
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中島 正愛 京都大学, 防災研究所, 教授 (00207771)
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研究分担者 |
金尾 伊織 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (80372564)
松宮 智央 近畿大学, 建築学部, 講師 (20454639)
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キーワード | 振動台 / サブストラクチャ法 / セグメント化 / 変位増幅 / 加速度増幅 |
研究概要 |
近年耐震工学の高度化に伴って中大型動的載荷実験へのニーズは高揚しているが,わが国の大学にはこの種の実験装置が決定的に不足している.このニーズに応えるために,比較的ハンディな振動台(動的載荷)装置を基盤として,(1)それに製作が容易な各種増幅セグメントを連結することによって,実験装置容量を飛躍的に増大させる仕組みの開発(フェーズ1)と,(2)振動台実験と数値解析や等価な構造セグメントを連結することによって大型構造物の振動特性を再現する「サブストラクチャ振動台」実験の開発(フェーズ2),を本研究の目的とする. 本年度では,フェーズ1に継続的に取り組むとともに,フェーズ2にも駒を進め,下記を実施した.リニアスライダーとバネで支持された錘と,再現したい振動数に等しい固有周期を有する物体とから構成される増幅セグメントを基本セグメント上に設置し,錘の重量,バネ剛性,物体とのギャップを変数として,所定の高振動数と振幅を有する(擬似)正弦波を生成する仕組みを「高振動数再現セグメント」として整備した. またこのセグメントを用いて,基本セグメントがもつ固有振動数の3倍程度の最大振動数を出現することから,高い固有振動数をもつ機器試験体に十分な振動を与える実験を実施した.さらにフェーズ2については,構造物の一部を基本セグメント上に設置,他の部分を仮想の数値解析セグメント,もしくは等価な錘とバネと減衰機構からなる等価構造セグメントとし,両者を接続することによって構造物全体の応答を再現する仕組み,「数値解析セグメントと組み合わせたサブストラクチャ振動台実験法」の考案にも着手した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
フェーズ1に関わる研究開発である,「速度・変位増幅セグメント」と「高振動数再現セグメント」については,仕組みの考案とその実証をいずれも果たすことができた.とりわけ高振動数再現セグメントについては,衝突という過酷な条件下では機器や治具が損傷する懸念があったなかで,極めて再現性の高い応答の出現を確認できたことは幸運であった.また,所定の非定常振動を試験体に与えるために考案した,各セグメント固有のダイナミクスと試験体の動特性を予備載荷から同定したうえでIDCS法を用いる手順の有効性が確認できたことは将来に向けて大きな進歩となりえた.
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今後の研究の推進方策 |
開発を主とした初期の2年度でフェーズ1は終了,3年目である次年度では,適用を目論むフェーズ2に駒を進める.具体的には,数値解析セグメントと組み合わせたサブストラクチャ振動台実験と,等価構造セグメントと組み合わせたサブストラクチャ振動台実験の実施を射程とし,また耐震工学上の興味として,ここで実験が産み出す床応答によって,当該階に設置される各種非構造部材や家具什器類が呈する挙動や,柱梁接合部が被る挙動を再現することをめざしたい.
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