研究概要 |
研究1から3について、H23年度に引き続いて以下のように実施した。 研究1:スライスモデルを用いた躯体内空間の温湿度気流性状,カビ挙動性状の把握 床下換気口,基礎断熱,基礎パッキンによる床下空間と外壁を含む3台のスライスモデルを用いて,床下空間から壁内部などの隙間ネットワーク上の主要な経路における,擬似粉体(カビ),VOC及び水蒸気の挙動に関する実験結果を取りまとめた。 また、気流が制御されたスライスモデルを用いて,粒子(カビ),VOC,水蒸気の床下空間から壁内への侵入率(発生空間での汚染物質発生量に対する対象空間への侵入汚染物質量の比)を試みた結果を取りまとめ、研究2に活用した。床下空間について,粒子分布及び挙動の可視化,運動データの取得を試み,汚染物質の挙動を把握する方法を、実建物で応用する試行を行った。 研究2:実験用構造体を用いた内部空間の空気質測定法の検証 測定場(気流性状等)を乱さないカビ等の汚染物質の採取測定方法の試作機を用いて、測定の検証を実験用構造体を用いて行い、床下から室内へのカビの侵入の実証データを得た。住宅10件を対象に躯体内空間の温湿度及び汚染物質(VOC,カビ)の分布や年変化に関する基礎データを得た。 研究3:実験及び測定結果,シミュレーションによる躯体内空間の空気質制御方法の検討 躯体内空間の汚染物質挙動モデルを構築し,隙間ネットワークを用いた年間シミュレーションを行い,床下換気や常時換気方式,地域を考慮した躯体内空間の空気質の条件及び空気質維持方法を明らかにするためのモデル計算を前年度に続いて行った。 また、躯体内空間の空気質維持に関する基本的な指針のための要素と居住者の換気行動に関する知見を整理した。
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