研究課題/領域番号 |
22246077
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
西出 和彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (80143379)
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研究分担者 |
大方 潤一郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (60152055)
大月 敏雄 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (80282953)
羽藤 英二 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (60304648)
小泉 秀樹 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (30256664)
岡本 和彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (40361521)
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キーワード | 超高齢社会 / 地域建築機能再配置 / 都市再編システム / 社会実験 |
研究概要 |
昨年に引き続き、本年度は、平成22年度に、柏市で実施したような基礎的調査、分析を通して、都市再編システムの適用に向け、地域に存在する様々な種別の建物が果たす社会性能を捉えるため、千葉県柏市を対象に実態分析を行った。 2010年6月には、豊四季台団地および豊四季台団地と接する周辺地域(以下団地外)を対象に、属性、団地商店街、日中活動、地域活動場所に関するアンケート調査を行った。このアンケートデータに基づき、2010年8月から2011年7月には、アンケートの回答があった居住者を対象に、アンケート調査内容の詳細を聞き取るため、集会室などでのヒアリング調査を実施し、団地居住者の屋外(地域)利用状況については、一定の成果を得る事ができた。 また、千葉県柏市では、昨年度までの成果であるアンケート調査の結果を踏まえ、ヒアリング調査を実施した。「住まい方」の実態把握については、団地内および団地外居住者、合わせて約20件の訪問ヒアリング調査を行った結果、アンケート調査に基づく高齢者世帯は、元気な高齢者が多い傾向がみられた。 地方圏域における都市再編システムを適用できる、エリアとして、岩手県を抽出し、実地研究を行なっている。これは、2011年3月11日に起きた東日本大震災を機に、仮設住宅市街地における高齢者の生活支援環境としてのケアタウンのあり方について実地研究を行っているためである。 これまで蓄積してきた本研究成果を広く社会還元するために、柏市において行政、市民を交えたシンポジウムの開催を行う予定である。そのため、昨年度は、招待する研究者とのネットワークづくりを兼ね、スウェーデンで開催された国際シンポジウムに参加した。 シンポジウムでは、千葉県柏市を対象とした研究、岩手県盛岡市を対象とした研究の成果を報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
以下(1)~(3)の調査の進捗状況に基づき、上記評価とする。 (1)「都市再編システム」に向けた調査である、千葉県柏市での調査は計画通り、団地周辺環境を対象とした調査が実施できており、引き続き2012年度は、「住まい方」に着目し、調査を進める予定である。 (2)「普及」として、開催を予定している国際シンポジウムについても、海外(スウェーデンやイギリス)の研究者とのネットワークの構築が進んでいる。(3)「実態分析・理論構築」に向け、岩手県で仮説住宅市街地における高齢者の生活支援環境としてのケアタウンのあり方に関する実地研究を実施しているため。
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今後の研究の推進方策 |
「都市再編システム」の構築に向け、行政・URとの連携をする事で、千葉県柏市で行っている調査を継続的に行う方針である。 「普及」については、引き続き国際シンポジウムに向け、研究者とのネットワークづくりを行う。更に、2012年度は、千葉県柏市で行った調査を冊子にまとめ、行政・住民に配布し、報告をする。 「実態分析・理論構築」では、岩手県で仮説住宅市街地における高齢者の生活支援環境の実態分析・理論構築に向け、実地調査を継続的に実施する。
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