研究課題/領域番号 |
22246088
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
幾原 雄一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70192474)
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研究分担者 |
山本 剛久 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 准教授 (20220478)
溝口 照康 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (70422334)
柴田 直哉 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (10376501)
着本 享 原子分子材料科学高等研究機構, 講師 (50346087)
佐藤 幸生 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (80581991)
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キーワード | 電子顕微鏡法 / その場観察 / セラミックス / 破壊・変形 / 粒界・界面 / 転位 / 原子配列 |
研究概要 |
本研究ではセラミック材料における機械特性や電気特性等、各種物理的な特性の発現機構についての本質的な理解を得るため、実使用環境下に近い条件における透過型電子顕微鏡(TEM)観察を行っている。具体的には、酸化アルミニウム(Al_2O_3)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO_3)などの典型的なセラミック材料についてTEM内で応力を印可することにより、変形および破壊を生じさせながらその動的な素過程をTEMで観察している.Al_2O_3は典型的な構造用セラミックスで多く実用に供されているが、その破壊・変形挙動について、特にマイクロスケールおよび原子・電子レベルでの知見は十分に得られているとは言い難い。一方で、SrTiO_3は通常は脆性的な挙動を示すことが知られているセラミック材料としては特異な変形挙動を示すことが報告されている。そのため、その破壊・変形挙動は非常に興味深い。また、最もポピュラーなペロブスカイト酸化物の1つでもあることからその基本的な物理特性を理解することは極めて重要である。本年度には、SrTiO_3の単結晶についての応力印加その場TEM観察を重点的に行った。実験は応力印加用電子顕微鏡ホルダーを用いて、SrTiO_3単結晶およびSrTiO_3粒界を有する双結晶試料について行った。単結晶試料においては、応力印加による転位の発生および転位の進行、ならびに応力開放時における転位の回復挙動が確認された。変形時の転位のすべり挙動は主すべり面・主すべり方向などを詳細に議論している。単一の粒界を有する双結晶試料についても同様の実験を行い、応力印加により発生した転位と粒界との相互作用などについても知見が得られた。異なる粒界において異なる種類の相互作用が見られた。
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