研究課題/領域番号 |
22246097
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
谷口 尚司 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 教授 (00111253)
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研究分担者 |
松本 克才 八戸工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (70190519)
嶋崎 真一 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 助教 (00447145)
上野 和之 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (20250839)
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キーワード | リサイクル / アルミニウムの清浄化 / 介在物の電磁分離 / せん断流れ / 液体サイクロン |
研究概要 |
アルミニウムスクラップの高度リサイクルを実現するために、溶融スクラップ中に含まれる不純物および非金属介在物を効率的に分離除去できる新しい方法について検討した。本年度は(1)流動下の電磁分離特性の解明、(2)せん断流中で粒子に働く泳動力の測定、(3)液体サイクロンに電磁分離磯能を組み合わせた電磁サイクロンの水モデル実験、を行い、下記の成果を得た。(1)の研究では、溶融Al中に介在物を模擬したSiC粒子を分散し、機械攪拌下で30kHzの高周波磁界印加による介在物の電磁分離を行った。機械攪拌がない場合には短時間でSiC粒子は効率的に電磁分離したが、攪拌が強くなるにつれて分離効率が減少した。流体シミュレーションにより、流動による電磁分離の妨害作用は速度勾配に基づく揚力よりも乱流変動力によることが示された。(2)の研究では、水中で互いに逆方向に走行する1対のベルト間にガラス粒子を送入し、せん乱流場における粒子の運動を観察した。その結果、粒子がベルト走行の主流方向と直角に泳動することが明らかとなり、その泳動は当初想定していた揚力ではなく、乱流変動による流体力であることが見出された。本解析にはトレーサ粒子の運動から流速分布を求めるPIV法を適用したが、ガラス粒子の運動とその周囲の流速場とを同時計測することにより過去にない有用な結果を得ることができた。(3)の研究では、液体サイクロンの水モデル装置を製作し、水よりも密度の大きい粒子の分離性能に関する調査に着手した。水モデル実験では、水中に誘導電流を発生させることができないので、電磁力(ローレンツ力)をマグネットシートによる磁気力で置き換えた実験を準備している。予備実験により磁気分離の効果が確認できたので、次年度から本格的な分離実験を行う予定である。
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