研究課題/領域番号 |
22246104
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
趙 孟佑 九州工業大学, 大学院・工学研究院, 教授 (60243333)
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研究分担者 |
豊田 和弘 九州工業大学, 工学研究院, 准教授 (10361411)
岩田 稔 九州工業大学, 工学研究院, 助教 (80396762)
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キーワード | 衛星帯電 / 電界電子放出 / 極軌道衛星 / 超小型衛星 |
研究概要 |
極軌道衛星において、高分子材料と微小突起金属が混在するフィルム状素子からの電界放出によって帯電を防止する素子(ELF/PEO)について、超小型衛星で実証用機器を開発することを目的とする。2011度のH2Aロケット相乗りに九工大衛星「鳳龍弐号」が採択され、ELF/PEOを宇宙実証することとなった。同衛星は30cmx30cmx30cmの超小型衛星で、300V発電やELF/PEOといった帯電抑制技術、及び衛星帯電計測装置を搭載する。20il年度は実証用機器のフライトモデルを作成し、評価を行なった。 実証機器では、ELF/PEOを衛星搭載用に2cm四方で製作したものと、露出面をもたずに単にフッ素樹脂で2cm四方の銅板をコーティングし表面電位を計測するSurface Charging Monitor(SCM)として機能させるもの、の2種類を搭載する。衛星コンピュータとのI/Oと電源入力端子を備えた電子回路を10cm四方の一枚の基板におさめ、ELF/SCMのヘッド及び電子回路を真空容器内に入れ,軌道上と同等の電流密度とエネルギーの電子ビームを照射し、SCMの帯電電位が上昇すると共に、ELFから電子が放出されることを、測定回路からの出力を衛星搭載コンピュータでモニタして確認した。また衛星のフライトモデルに実証機器を搭載し、振動・衝撃・熱真空試験を行い、軌道上での環境耐性を確認した。 2012年5月に打ち上げが延期されたが、打ち上げ前に必要な全ての準備を完了した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画では、実証機器を作るところまでであったが、2年目にして実証機器が完成し、3年目には宇宙空間でのデータ解析を実施することとなった。
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今後の研究の推進方策 |
2012年5月に鳳龍弐号が打ち上げられる予定である。打ち上げ後、1年間をかけて軌道上での実験データを取得する。今後は、軌道上のデータを解析する。また、ELF表面の電子放出点の詳細な解析、ELF放出電流量の更なる向上を目指した基礎研究に再度立ちかえり、研究の深化を図る。
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