研究課題/領域番号 |
22246111
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研究機関 | 独立行政法人海上技術安全研究所 |
研究代表者 |
村上 健児 独立行政法人海上技術安全研究所, その他部局等, 研究員 (60112067)
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研究分担者 |
丹羽 敏男 独立行政法人海上技術安全研究所, その他部局等, 研究員 (10208267)
田中 義久 独立行政法人海上技術安全研究所, その他部局等, 研究員 (70399517)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 海洋環境 / 鋼構造物 / 防食 / 防汚 / 亜鉛溶射 / 亜鉛-アルミニウム合金 / 皮膜構造 / フジツボ |
研究概要 |
昨年度に引き続き、鋼基材上にア-ク溶射法で金属亜鉛をコ-ティングして作った試片を海中に浸漬し、表面への海洋生物付着量の経時変化を調べるとともに、海中から回収した皮膜について組織変化を調べた. 溶射条件と皮膜の後処理法を変えることによって、次のような皮膜を作製して海中浸漬した.1:気孔率が約14%で表面積比(=表面に微細な凹凸のある皮膜の実際の表面積/表面に凹凸がなく平滑であるとしたときの皮膜の表面積)が約2.6の皮膜、2:気孔率が約21%で表面積比が約3.8の皮膜、3:皮膜1と皮膜2の気孔にシリコ-ン系樹脂を含浸させた後に皮膜表面の樹脂を研磨除去して金属亜鉛を完全に露出させた皮膜、4:皮膜1と皮膜2の表面の微細凹凸を研磨紙で1000番まで研磨・平滑化した皮膜の4種類である.溶射基材には80mm×120mm×2mmの鋼板のほかに、生物付着におよぼす基材端部の影響を軽減あるいはなくすために200mm×300mm×2mmの鋼板と直径76mm×長さ250mmの両端を閉じた鋼管を用いた.皮膜の浸漬場所は深さが1.5m~2.5mで波のほとんどない小さな湾の奥であり、付近にはフジツボなどの海洋生物が多数生息している. 皮膜に付着するのは大部分がフジツボであり、季節によってはムラサキイガイやミドリイガイ、海藻も若干見られた.フジツボは夏季に多数付着し、12月になると激減する.防汚効果は上記「4」の平滑皮膜で最も顕著であった.一方、海中への亜鉛の溶出促進をねらって海水との接触面積を広くした皮膜「2」の防汚効果は皮膜「4」の防汚効果よりも劣り、封孔処理した皮膜「3」の防汚効果は最も低かった.いずれの皮膜でも腐食部(白錆)は小さな斑点状に分布しており、その箇所では皮膜厚さの途中まで皮膜の腐食が進んでおり、皮膜/基材界面まで腐食が及んでいる箇所もあった.鋼基材自体の腐食は見られなかった.
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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