研究課題/領域番号 |
22246115
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
土屋 範芳 東北大学, 環境科学研究科, 教授 (40207410)
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研究分担者 |
平野 伸夫 東北大学, 環境科学研究科, 准教授 (80344688)
岡本 敦 東北大学, 環境科学研究科, 准教授 (40422092)
小川 泰正 東北大学, 環境科学研究科, 助教 (50422093)
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キーワード | 土壌汚染 / 環境基準 / 河川水 / 河川底質 / 地理情報システム / 地圏環境 / リスク評価 / 化学形態 |
研究概要 |
本邦は,自然環境で既に土壌官許基準を超える重金属類を含有する地層があるが,これらの地層は天然環境では容易には重金属を溶出しない場合もある.水や大気の場合と異なり,土壌を経口摂取するリスクはきわめて低い.本邦の自然環境の特殊性を勘案し,科学的合理性に基づいた環境基準の策定が不可欠である. 本研究は,多元的など状環境基準の策定のために計測・計量方法の考案と,リスク評価手法の技術開発を目的としている.本年度は,秋田県小坂地域および玉川地域(秋田県),北アルプス地域,秋田県大舘地域をモデルフィールドにして,河川および河川底質土壌中の重金属類の季節変化をとらえた.また現地でのサンプリング方法を工夫して,フィルタリングによる水採取に加え,渇水期,雪解け期などの季節変化による河川流量を実測した.この結果を基に,人為汚染を含む鉱山地帯での鉱山廃水の河川に対する影響を定量的に評価することが可能となった.たま,山岳地帯や人為的汚染に影響のない地域での重金属類の溶出挙動の野外観察と実験的検討を行った. 小坂地域においては,最上流部から米代川合流までの間に6点の定点か測点を設けて,小坂川本流および定点観測点間に流入する支流全てについて,重金属量と流量を季節ごとに計測し,河川における重金属類の溶出,移動モデル構築のための基礎的データの集積を粉って,シミュレーションコードを開発した. この結果,この流域には,鉱山廃水処理を行っている廃止鉱山やPRTR法の届け出義務のある工場以外の未知の汚濁源があることが明らかとなった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究最終年度の24年度に実測結果と科学的合理性に基づいたシミュレーションコードを開発する予定であったが,23年度にシミュレーションコードの開発がほぼ完成し,小坂川流域での未知の汚濁源があることをほぼあきらかにすることができた.この結果を基に最終年度の24年度に未知汚濁源の特定を行うなうことができるため,当初予定より進捗が早い.
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今後の研究の推進方策 |
季節変動を鱈得る野外調査を引き続き続行させるとともに,研究最終年度として,シミュレーションコードの完成度を高めるとともに,研究結果の公表に努める.
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