研究課題/領域番号 |
22246120
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
大野 哲靖 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (60203890)
|
研究分担者 |
高村 秀一 愛知工業大学, 工学部, 教授 (40023254)
梶田 信 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 准教授 (00455297)
永田 正義 兵庫県立大学, 工学研究科, 教授 (00192237)
菊池 祐介 兵庫県立大学, 工学研究科, 准教授 (00433326)
|
キーワード | プラズマ・壁相互作用 / 周辺プラズマ / プラズマガン / タングステン |
研究概要 |
定常高熱流ダイバータプラズマ模擬試験装置と磁化同軸プラズマガン装置を結合した世界的に類のないプラズモイド-定常高熱流プラズマ複合照射装置を開発し、核融合炉で遭遇するELM様プラズマ照射環境の模擬を可能とする。本装置を駆使し、E1温様プラズマ熱流とタングステン材との相互作用での溶融層移動現象や蒸気遮蔽効果の物理を解明するとともに、次期核融合装置に外挿可能なダイバータ材料としてのタングステンのELM許容量や寿命予測データベースを構築し、核融合発電実現に貢献する。当該年度の研究成果は下記の通りである。(1)プラズマモイド入射用電源の開発と磁化同軸プラズマガン装置の完成:磁化同軸プラズマガン装置とは、ポロイダル方向とトロイダル方向の電流を持つトーラス状のプラズマ塊を、同軸状の電極で生成、軸方向磁場で射出する装置で、ELM様の高密度プラズマを発生させることが可能である。高圧電源回路の再設計・製作を行い、定格出力電圧10kV,最大充電エネルギー145kJのプラズモイド入射用電源を完成させた。スイッチング回路素子としては、イグナイトロンを用いた。ガスパフコイル用電源、外部バイアス磁場電源との同期運転を行い、磁化同軸プラズマガン装置を完成させた。(2)プラズモイド計測系の整備:プラズマガン装置により発生するプラズモイドの電子密度を計測するためのゼーマンレーザー干渉計測装置の製作、実機での試験を行った。システムのケーブル配置の工夫や波長板やバンドパスフィルタ等の光学素子の追加等、位相差信号のS/N向上策を逐次検討し、システムのノイズ耐性を向上させ,プラズモイドの電子密度計測を可能とした。今回生成したプラズモイドは、パルス幅数100μs,電子密度10^22m-3台の高密度プラズマであり、ELM模擬に充分なパラメータを有していることが明らかになった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者(大野)が、9月末に心筋梗塞により心臓のバイパス手術を受け、約4ヶ月間研究を遂行出来なかったことによる。
|
今後の研究の推進方策 |
開発した磁化プラズマガンと直線型ダイバータプラズマ模擬試験装置NAGDIS-Iを接合し、定常プラズマープラズモイド複合照射実験装置として完成させる。特に磁化プラズマガンからのサージの直流放電システムへの影響を定量的に調査する。また、定常磁場がプラズモイド入射に与える影響を、高速度カメラによる計測により明らかにする。 また、タングステン材料をプラズマ対向材料として設置し、定常プラズマとプラズモイドの複合照射実験を実施する。タングステン中性線(WI)の高時間分解2次完分光計測を行うことにより、タングステン材料からのタングステン不純物放出を観測し、溶融層移動現象や蒸気遮蔽効果を明らかにし、研究成果をまとめる。
|