研究課題
中性子用いた鋼材の残留応力測定精度の向上のために高分解能中性子検出器の開発を行った。中性子の反応媒体としてLi-6を用いた無機シンチレータCe;LiCAFを用いた二次元中性子検出器を開発した。中性子の応答特性をCf-252の中性子源とJ-PARCのビームラインで評価し、ガンマ線感度・中性子検出効率のいずれもHe-3ガスカウンターに匹敵するものであることが確認できた。また、従来のHe-3ガスを用いた多芯比例計数管と比べ、高計数率特性に優れており、100kHz/mm^2での安定動作を確認した。今後は有感面積の大面積化が課題となる。また、改良した950keV XバンドライナックX線源では、十分な線量が得られたのでシングルショットでの撮像が可能になった。改良型950keVXバンドライナックX線源を外部同期信号と同期させる試験を行い、X線源が外部トリガー入力で動作するようにX線源のタイミングシステムを構築し、外部からのトリガー信号を入力した。この結果、X線の発生パルス幅(3μs)よりも小さいジッター(<300ns)でX線と外部トリガー同期信号を同期させることが出来ることを確認できた。これにより回転体の回転周期と同期させた静止画撮像が可能となった。一方で、オンサイトでの残留応力の測定を実証するために、50keVの超小型X線源を用いた実証実験を行った。X線源本体は手のひらに乗る大きさであり、オンサイト残留応力測定の実現に向けて諸試験を行った。センサにはイメージングプレートと小型CCDセンサを用い、鉄鋼材にX線ビームを照射したところ、小型CCDセンサにて鉄鋼の回折リングが観測できた。今後はX線源とセンサのアライメントを容易化する仕組みの構築が課題となる。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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検査技術
巻: 2013.2 ページ: 144 147
Neutron News
巻: Volume 23, Issue 4 ページ: 31 36
10.1080/10448632.2012.725335