研究課題/領域番号 |
22246127
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
楊 金峰 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (90362631)
|
研究分担者 |
成瀬 延康 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (30350408)
吉田 陽一 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (50210729)
近藤 孝文 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (50336765)
|
研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
キーワード | 電子顕微鏡 / 計測工学 / フォトカソードRF電子銃 / フェムト秒電子線 / 量子ビーム誘起高速現象 / 分子・原子イメージング |
研究概要 |
平成24年度には、世界に先駆けて、フォトカソードRF電子銃を用いた時間分解MeV電子顕微鏡実証機を製作し、フェムト秒短パルス電子ビームを利用した電子顕微鏡の原理実証に成功した。 1)世界初のフォトカソードRF電子銃を用いた時間分解MeV電子顕微鏡実証機の製作 超高圧電子顕微鏡(3MeV)を対応する最大磁場強度が2T以上の投影磁気レンズと1.2T以上の中間磁気レンズを設計・製作し、平成23年度に製作した高精度対物レンズを組み合わせて拡大倍率が5000倍以上の結像レンズシステムを完成した。これを用いて、平成22年度に開発した高性能フェムト秒RF電子銃、入射レンズ光学系とMeV電子ビームが測定可能なイメージング検出器を実装し、世界に先駆けてフォトカソードRF電子銃を用いた時間分解MeV電子顕微鏡を製作した。 2)フェムト秒電子線パルスを利用した電子顕微鏡の原理実証 まず、RF電子銃の高度化により、パルス幅が100fs、エミッタンスが0.2mm-mrad、エネルギー分散が10の-4乗の高品質電子ビームの発生に成功した。このフェムト秒電子線パルスを利用し、RF電子銃を用いた電子顕微鏡実証機における明瞭な金単結晶MeV電子線回折パターンを得ることができ、シングルショット電子線回折の測定に成功した。次に、対物レンズと投影レンズを組み合わせて、フェムト秒MeV電子線パルスを利用した拡大倍率が1700倍、解像度が30nmのイメージングに成功し、金単結晶薄膜の透過電子顕微鏡像の観察に成功した。原理実証の結果により、RF電子銃はフェムト秒短パルス電子ビームが発生可能な強力なソースである。RF電子銃を用いた時間分解電子顕微鏡は、フェムト秒とナノメートルの時空間分解能が同時に実現可能な測定手法であり、物質中相転移などの原子レベルでの構造変化ダイナミクスの解明に期待される。
|
現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|