研究課題/領域番号 |
22247002
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
柴田 武彦 独立行政法人理化学研究所, 遺伝制御科学特別研究ユニット, ユニットリーダー (70087550)
|
研究分担者 |
美川 務 独立行政法人理化学研究所, 城生体金属科学研究室, 専任研究員 (20321820)
草野 好司 京都工芸繊維大学, 遺伝資源キュレーター教育研究センター, 特任教授 (70336098)
|
キーワード | ゲノム構築・再編 / 遺伝子多様性 / 減数分裂 / 相同組換え / 蛋白質創出 |
研究概要 |
生体は環境に応じて組換えホットスポット配列に二重鎖切断を入れる酵素を以て遺伝情報を編集・多様化する相同組換えを制御することで環境変動への適応力を得る。二重鎖切断制御に働く生化学機構を解明し、その知識により相同組換え制御の解明し、それを基に組換え開始自在制御実現と活用を目指す。本年度はショウジョウバエ個体を用いたバイオアッセイ系を用いた研究で、シロイヌナズナで減数分裂に必要なAtSPO11-1とAtSPO11-2が、同種生物由来の補助蛋白質の共存なしにDNA二重鎖切断活性を持つことを明らかにした。従来の酵母での遺伝学的研究では、SPO11がDNA二重鎖切断を行うには多数の補助蛋白質の共発現の必要性が示され、また、未だSPO11のDNA二重鎖切断活性は生化学的手法で示されていない。SPO11自身が二重鎖切断活性をもつこと示したのは、全てのSPO11を通してこれが初めてである。さらに、イネの3種のSPO11候補の内、AtSPO11-1に対応するOsSPO11AにはDNA二重鎖切断活性を認めたが、意外なことにAtSPO11-2に対応するOsSPO11BにはDNA二重鎖切断活性が認められなかった。ところが、我々が独自に見付けた、シロイヌナズナに対応する蛋白質がないOsSPO11Dが、調べた植物由来の5種のSPO11候補の中では最も強いDNA二重鎖切断活性を持つことを明らかにした。 系統樹解析の結果と合わせて、イネは他の植物は異なった独自の減数分裂期相同DNA組換え開始制御機構を持つことが明らかになった。細胞核での体細胞相同組換え開始制御の存在を検証するために、酵母ミトコンドリアで体細胞相同DNA組換え開始制御に働く二重鎖切断活性を示した蛋白質の、シロイヌナズナの核で働くオルソログ候補の遺伝子群をゲノムデータベースから抽出し、それらの発現系の構築を進めた。
|