1)収縮環形成のライブイメージング:分裂酵母のcdc25変異株(細胞周期を同調できる)にF-アクチン結合ペプチドLifeact-mRuby融合タンパク質を発現させ、蛍光観察により収縮環形成過程におけるアクチンフィラメントの集合を詳細に観察している。またLifeact-mRubyとformin/Diaphanousタンパク質Cdc12-GFPを同時に発現させてF-アクチンとCdc12のライブ観察を行っている。 2)単離収縮環の収縮能の研究:分裂酵母の収縮環-細胞膜複合体を単離し、収縮環の収縮の条件を調べている。収縮はATPに特異的であり、pH8が至適、カルシウム濃度は低い方がよい。収縮に対する各種F-アクチン安定化因子の影響は意外にほとんど見られていない。アクチンの分子交換加速因子の影響についてはadfl-1変異株から収縮環-細胞膜複合体を単離したが、現在ほぼ正常に収縮することがわかった。 3)収縮環F-アクチンの方向性の決定:電子顕微鏡観察のため分裂酵母の収縮環を含むゴースト(上記)にミオシンS1を浸透させてF-アクチンをやじり構造に変換して包埋を行った。またエッチングーレプリカ法による細胞表層の観察のための試料作成を行っている。 4)卵細胞の分裂溝における収縮環関連因子局在の検討:ウニ卵、カエル卵の単離分裂溝における収縮環形成因子(Rho関連因子、formin/Diaphanous)の局在を決定するため抗体の精製を行った。この抗体を用いた蛍光抗体法により、分裂溝でのformin/Diaphanousの局在を検討中であり、収縮環に局在する結果を得た。 5)分裂酵母のキネシン様タンパク質Klp8の過剰発現により細胞の変形と微小管への局在がみられた。
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