研究課題
1)単離収縮環の収縮能の研究:分裂酵母の収縮環ー細胞膜複合体(細胞ゴースト)を単離し、ATPを加えて収縮環が収縮する条件を調べた。その結果、収縮中にアクチンは脱重合して収縮後には消失しているが、アクチン脱重合は収縮に必須ではないことがわかった。ミオシンは収縮後にも塊として残存することがわかった。またin vitroでの収縮速度は生細胞中での収縮環の収縮速度の20倍以上であった。この理由として、ゴーストでは細胞膜と収縮環の結合が外れていて収縮しやすくなっていること、細胞ゴーストではアクチンフィラメント架橋タンパク質の量が減っており、収縮の抑制が外れている可能性があること、生細胞の細胞質中に収縮速度を調節する因子が存在する可能性があること、などが考えられた。さらに単離収縮環の収縮にはII型ミオシンのATPase活性が必須であることが確認された。2) カエル卵抽出液をもちいた疑似細胞の研究:アフリカツメガエル卵抽出液を脂質膜小胞に封入したところ、膜から小胞内部へのアクチンの流れが起きた。この流れは1時間ほど継続した。流れの原因は膜でのアクチンの重合と、私たちがX-bodyと命名した細胞質構造物付近での脱重合によることがわかった。またミオシンATPase活性も流れに関与していた。さらに流れと反対方向に小胞の移動運動が起こった。このとき発生していた力は運動性細胞が発生している力と同程度のものであった。3) 収縮環の構造の研究のうち、ミオシンの構造に関しては臨界点乾燥試料の電顕観察を続けているが、もう少し時間が必要であることがわかった。一方、ウニ卵の収縮環を超解像顕微鏡によりミオシン局在を観察したところ、ミオシンがフィラメントを形成していると考えられた。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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