研究課題/領域番号 |
22248001
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
齊藤 邦行 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (60153798)
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研究分担者 |
國分 牧衛 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (40323084)
島田 信二 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 中央農業総合研究センター, チーム長 (30355309)
白岩 立彦 京都大学, 大学院・農学研究科, 教授 (30154363)
鄭 紹輝 佐賀大学, 海浜台地生物環境研究センター, 准教授 (90253517)
磯部 勝孝 日本大学, 生物資源科学部, 准教授 (60203072)
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キーワード | ダイズ / 多収事例 / 収量ポテンシャル / 日射乾物変換効率 / 発育モデル / 収量予測モデル / 地域連絡試験 |
研究概要 |
既存のダイズ多収技術を定量的に評価するため、国内外の既往の多収事例のデータを収集・整理し,「ダイズ多収事例データベース」(以下「DB」と略記)を構築した.このDBを活用して,形態的・生理的要因と土壌・気象要因の相互関係から、事例毎の収量の定量化を行った。その結果10a当たり最高収量は、北海道700kg、東北652kg、関東東海542kg、北陸近畿572kg、中国四国624kg、九州415kgが文献上認められた。これら多収事例を解析したところ、葉面積指数が8~10と高く確保され、子実肥大期の日射量が高い場合に多収穫が達成されていた。各収量は各地域で主要に作付けされている品種で得られており、ダイズでは品種によって多収を達成している事例は認められなかった。 東北から九州に至る連絡試験(品種エンレイ)を行った。作期は普通期・(晩期)、栽植密度は標準・(密植)とした。得られた収量(10a当たり)は、宮城325kg、茨城372kg、神奈川189kg、滋賀389kg、岡山448kg、佐賀138kgと、地域によって大きく変動した。いずれの地域でも成熟期(R7)は明確でなく、莢先熟(青立ち)となった。岡山の多収要因は9月の日射量が他地域に比べ多かったため、葉面積指数も8~10と高い値を示した。神奈川と佐賀では、葵数が428~487m^<-2>と少なく、多収地域では1150~788m^<-2>と著しく多くなった。エンレイのような夏ダイズを佐賀のような秋ダイズ栽培地帯で栽培した場合の低収要因の解明も必要と考えられた。連絡試験で得られた各地域の生育ステージの暦日から、発育過程を温度と日長の関数としてモデル化した。さらに、日射量、乾物重、植被率から日射乾物変換効率(RUE)を求め、RUEの地域間差を比較した。今後、データの蓄積を図るとともに各地域の可能最大収量(Y_<MAX>)は収穫係数(HI)を定数として全乾物生産量から求め、Y_<MAX>の地域間差を解明する。Y_<MAX>と実際の収量との差を求め、その相違する要因を気象要因、土壌養分、窒素固定活性、土壌水分(乾燥・過湿)、管理方法(播種・収穫)等から解析を行う。その他、連絡試験以外に個別試験を行い、多くの成果が公表された。
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