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2012 年度 実績報告書

イネの窒素同化と窒素利用機構におけるグルタミン代謝関連酵素機能の完全解明

研究課題

研究課題/領域番号 22248005
研究機関東北大学

研究代表者

山谷 知行  東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (30144778)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2014-03-31
キーワードイネ / アンモニア同化 / 窒素利用機構 / グルタミン合成酵素 / グルタミン酸合成酵素 / 遺伝子破壊変異体 / メタボローム / 代謝
研究概要

イネ根におけるアンモニウムイオンの初期同化機能や、イネの一生を通じて成育や生産性にとって重要な窒素リサイクル機能の分子機構と制御に関して、この窒素代謝反応に関わる全ての酵素の遺伝子破壊変異体を用いて解析を進め、窒素利用の分子機構の全貌を解明することを目的としている。アンモニウムイオンの初期同化やリサイクルには、サイトゾル型グルタミン合成酵素(GS1)とNADHグルタミン酸合成酵素(NADH-GOGAT)が関わるが、これらは小遺伝子族を形成しており、GS1;1、GS1;2、GS1;3とNADH-GOGAT1、NADH-GOGAT2のアイソザイムが存在する。本年度は、GS1;2とGS1;3の遺伝子破壊変異体に関して詳細に解析した。GS1;2遺伝子破壊変異体は、窒素欠乏のような表現型を示し、種々の検討から、根におけるアンモニウムイオンの初期同化で機能していることが証明できた。この成果は、Plant and Cell Physiology誌に公表した。現在、GS1;2変異体を用いてメタボローム解析を進めているが、GS1;1変異体とは大きく異なる結果があらわれつつある。また、種子特異的に局在するGS1;3遺伝子破壊変異体を獲得した。この変異体は、発芽が抑制される表現型を示し、貯蔵タンパク質の利用に関与することが示唆された。同時に、登熟期では葉身の老化が遅延し、また一穂当たりの粒数の減少が観察された。以上、イネにおけるGS/GOGATの5種類の中で、GS1;3以外の生理的な機能はほぼ証明された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

イネに存在している3種類のGSと2種類のNADH-GOGATアイソザイムに関して、GS1;3を除く4種類の機能をほぼ証明できた。いずれも国際的な学術雑誌にその成果を公表した。また、メタボローム解析に関しても、GS1;1変異体では非常に興味深い結果がえられ、国際学術雑誌にその成果を報告してきた。以上の成果から、当初計画以上に進展していると判断する。

今後の研究の推進方策

イネに存在している3種類のGSと2種類のNADH-GOGATアイソザイムに関して、機能証明がまだできていないGS1;3の解析を、遺伝子破壊変遺体を用いて推進する。また、GS1;2変異体を用いて、メタボローム解析を進めるとともに、分げつ発達抑制の表現型がなぜ認められるのか、その原因をストリゴラクトンとの関連から解析を進める予定である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Cytosolic glutamine synthetase1;2 is responsible for the primary assimilation of ammonium in rice roots2013

    • 著者名/発表者名
      Funayama, K.$, Kojima, S.$, Tabuchi-Kobayashi, M., Sawa, Y., Nakayama, Y., Hayakawa, T. and Yamaya, T.
    • 雑誌名

      Plant Cell Physiology

      巻: 54 ページ: 934-943

    • DOI

      10.1093/pcp/pct046

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Deciphering starch quality of rice kernels using metabolite profiling and pedigree network analysis2012

    • 著者名/発表者名
      Kusano, M.
    • 雑誌名

      Molecular Plant

      巻: 5 ページ: 442-451

    • DOI

      10.1093/mp/ssr101

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Dissection of genotype-phenotype associations in rice grains using metabolome quantitative trait loci analysis2012

    • 著者名/発表者名
      Matsuda, M.
    • 雑誌名

      Plant Journal

      巻: 70 ページ: 624-636

    • DOI

      10.1111/j.1365-313X.2012.04903.x

    • 査読あり
  • [学会発表] シロイヌナズナサイトゾル型グルタミン合成酵素は根でアンモニウムによって誘導されアンモニウムを同化する2013

    • 著者名/発表者名
      小西範幸 (山谷知行)
    • 学会等名
      日本農芸化学会2013年度大会
    • 発表場所
      仙台 (東北大学)
    • 年月日
      20130325-20130327
  • [学会発表] シロイヌナズナNADHグルタミン酸合成酵素の根におけるアンモニウム同化の重要性2013

    • 著者名/発表者名
      小西範幸 (山谷知行)
    • 学会等名
      第54回日本植物生理学会年会
    • 発表場所
      岡山 (岡山大学)
    • 年月日
      20130321-20130323
  • [学会発表] シロイヌナズナ環境型におけるアンモニウム栄養利用の遺伝的な差異2013

    • 著者名/発表者名
      松岡香矢 (山谷知行)
    • 学会等名
      第54回日本植物生理学会年会
    • 発表場所
      岡山 (岡山大学)
    • 年月日
      20130321-20130323
  • [備考] 植物細胞生物学分野

    • URL

      http://www.agri.tohoku.ac.jp/cellbio/index-j.htm

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公開日: 2014-07-24  

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