研究課題
近年、低環境負荷のエネルギー生産法として、食品廃棄物などの未利用資源を燃料とするバイオ燃料電池の開発が注目されている。本研究は未利用生物資源を燃料とし、酸化還元酵素及びその高活性な酵素を有する微生物を素子とする高出力酵素電池の開発を行うことを主目的とする。平成24度末までに本研究で得られた成果として、食品中のタンパク質やその構成成分であるアミノ酸を燃料とする酵素電池の開発を目指し、耐熱性L-プロリン脱水素酵素を用いたメディエータ(ジクロロインドフェノール)型プロリン燃料電池(容量:1 ml)の基本装置の製作に成功した。25年度ではその起電力(0.2V)、出力の改良を図るために、電池セル装置の小型化を進め、溶液循環型の新たな電池セル(容量550μl)の作製に成功し、起電力も0.6Vを大幅に増大させることに成功し、出力は2μW/cm2を得た。25-26年度では、この成果を論文発表するために、その原稿の作成を行った。さらに出力の改善のために、電極素材、メディエータ種類等についての解析、酵素の電極への固定化法を検討をした。一方、高起電力を得るためには、安定性が高く触媒活性の高い酵素の利用が必要であること、及び中性域ではなく、アルカリや酸性領域での酵素電池や微生物酵素電池の開発の必要性が判明したので、新たな高活性酵素、及び好アルカリや好酸性好熱菌の探索を始め、活性とゲノム情報に基づく新規探索法によって新規耐熱性ロイシン脱水素酵素やアラニン脱水素酵素を見出した。また藍藻の新規トリプトファン脱水素酵素の精製と機能解析に成功した(学術論文に掲載済)。さらに好熱菌の新規色素依存性グルタミン酸脱水素酵素、ソルビトール脱水素酵素を土壌から発見し、ゲノム情報から超好熱菌のコハク酸脱水素酵素を見出し、現在遺伝子のクローニングと機能解析を進め、酵素電池用としての有用性を検討する予定である。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (11件) (うち査読あり 11件、 謝辞記載あり 5件) 学会発表 (16件) (うち招待講演 4件) 備考 (1件)
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