研究分担者 |
村岡 裕由 岐阜大学, 流域圏科学研究センター, 教授 (20397318)
大塚 俊之 岐阜大学, 流域圏科学研究センター, 教授 (90272351)
玉川 一郎 岐阜大学, 流域圏科学研究センター, 准教授 (40273198)
児島 利治 岐阜大学, 流域圏科学研究センター, 准教授 (90346057)
高橋 興明 独立行政人森林総合研究所, 森林管理研究領域, 研究員 (90435587)
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研究概要 |
冷温帯落葉広葉樹林の林冠部の光合成生産力を規定する植物生理生態学的観測を行い,陸面過程モデルによる解析の準備を進めた。具体的には,主要樹種であるミズナラとダケカンバの個葉の光合成特性(二酸化炭素-光合成曲線),暗呼吸速度を測定するとともに,クロロフィル含量とその分光指標(SPAD),葉の形態(LMA)の定量を,5月から10月にかけて定期的に実施した。 炭素収支の推定結果を検証するため、大八賀川流域を主体に以下の研究を実施した。 現地調査と森林簿などに基づいて、森林5タイプと都市・農地の6クラスについて教師データと検証データを設定し、2007年の4月,5月,7月の展葉前,展葉後期,展葉後の3時期のQuickBird画像を用い,季節変化を利用して森林タイプを分類した。4月では常緑樹と落葉樹の分類精度が高く、5月,7月では常緑樹同士,落葉樹同士の分類精度が高かった。4月と5月を組み合わせて分類した場合、総合分類精度は92%と良好だった。 スギ・ヒノキについてLiDARデータの樹冠高モデル(CHM)を利用して、林分蓄積の推定モデルを作成した。また、林分平均樹高(H)の推定について検証し、CHMの高さ別で上位80~90パーセンタイルのデータを用いれば、回帰分析でHを精度良く推定できることを明らかにした。LiDARデータ(2003年)を利用して、樹冠高分布の特徴を解析した。平均樹冠高は広葉樹では西部で約10m,東部で約15mと東部で高く、針葉樹林では西部と東部でともに約11mで差がなかった。 大八賀川流域で炭素収支観測を継続した。土壌呼吸をスギ林の成長段階別、月別に計測したところ、7-8月に最大値をとった後11月に最小となることが分かった。常緑針葉樹林サイトでの炭素・熱・水交換量の観測を継続し、超高精度CO2/H2Oアナライザーを導入し、観測体制を強化した。
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