研究分担者 |
長谷川 利拡 独立行政法人農業環境技術研究所, 大気環境研究領域, 主任研究員 (10228455)
須藤 重人 独立行政法人農業環境技術研究所, 物質循環研究領域, 主任研究員 (40354071)
岩崎 亘典 独立行政法人農業環境技術研究所, 生態系計測研究領域, 主任研究員 (70354016)
小野 圭介 独立行政法人農業環境技術研究所, 大気環境研究領域, 任期付研究員 (20549555)
和穎 朗太 独立行政法人農業環境技術研究所, 物質循環研究領域, 任期付研究員 (80456748)
|
研究概要 |
大気-水田間の窒素循環の把握に関して,茨城県つくばみらい市の水田における窒素化合物の湿性沈着,大気濃度,および交換フラックスの通年観測を平成22年6月より開始した.湿性沈着は降水時開放型サンプラーを用いて週単位で捕集した.大気濃度は昼夜区分フィルターパック法を用いて週単位で平均濃度を測定した.微気象の観測データと併せて濃度勾配法により交換フラックスを算定した.また,窒素酸化物濃度計と2高度切替システムを用いて一酸化窒素と二酸化窒素の大気濃度を2高度で連続測定するシステムを構築した.このシステムは平成23年度より本格稼働する計画である. 気候変動が大気-土壌-水稲系の窒素循環に及ぼす影響の解明に関して,開放系大気二酸化炭素増加実験施設(FACE)水田を利用して,ダイナミックチャンバー法を用いて水稲(コシヒカリ)の止葉のアンモニア放出ポテンシャルを出穂期,登熟中期,および登熟後期に測定した.また,シリコンチューブを用いた土壌ガス採取装置を作成し,土壌中の一酸化二窒素濃度をモニタリングし,同位体分析と併せて一酸化二窒素の生成に対する硝化・脱窒の寄与について評価を行った.さらに,水田作土の窒素固定能,無機窒素含量,および微生物バイオマスの全炭素・全窒素含量などを測定した. 大気-水田間の窒素循環予測モデル・システムの開発に関して,大気-陸面相互作用の詳細一次元モデルSOLVEGの水田への適用について検討を進めた.また,広域評価モデルの構築にあたり考慮すべきパラメータの洗い出しを行い,調査地周辺のリモートセンシングデータを地理情報システムに取り込み,広域評価システムのベースを構築した.
|