研究課題
大気-水田間の窒素循環の把握に関して,茨城県つくばみらい市の水田における窒素化合物の湿性沈着,大気濃度,および交換フラックスの観測を平成22年6月以降継続して行った.湿性沈着は降水時開放型サンプラーを用いて週単位で捕集した.大気濃度は昼夜区分フィルターパック法を用いて週単位で平均濃度を測定した.微気象の観測データと併せて濃度勾配法により交換フラックスを算定し,3ヶ年分の窒素交換の週間値および期間積算値を評価した.また,水田の水量・水質のモニタリングを行い,水田の水・窒素収支を評価した.気候変動が大気-土壌-水稲系の窒素循環に及ぼす影響の解明に関して,温室効果ガスのベースラインフラックスおよび自動開閉チャンバーがフラックスに及ぼす影響を評価した.また,イネの出液(株元付近の導管液)を捕集して,出液の速度と窒素フローの生育段階および品種による相違を調べ,水田土壌のアンモニア態窒素(土壌溶液溶存態,交換態)のモニタリングを行い,水田土壌に施肥した緩効性肥料の窒素供給速度を定量した.さらに,水田土壌の窒素固定能の瞬時値および積算値の定量および高CO2影響の評価を試みた.大気-水田間の窒素循環予測モデル・システムの開発に関して,大気-陸面系モデルSOLVEGおよび土壌-水稲系モデルDNDC-Riceの水田生態系の窒素循環への適用について更なる検証を行い改良すべき項目(窒素固定,窒素乾性沈着)を抽出した.広域評価モデルの構築について群落規模の環境情報とコンダクタンスの定量的関係を評価した.
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (13件) 備考 (1件)
Global Change Biology
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Plant and Cell Physiology
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http://www.niaes.affrc.go.jp/outline/face/