キチン受容体を介した植物免疫シグナル伝達機構について検討し、リガンドであるキチンオリゴ糖による受容体2量体形成、活性化機構を明らかにした。また、受容体の自己リン酸化部位とその機能を解析し、キチン応答に重要な部位を見出した。受容体直下でシグナル伝達系を制御する細胞質型受容体キナーゼ(RLK)PBL27を見出すとともに、植物免疫受容体はキナーゼの基質特異性によって異なるRLKを利用していることを示した。構造的に類似したキチン受容体と共生シグナル受容体が下流のシグナル伝達系を切り分けている構造基盤を明らかにするとともに、これらの進化的関連を推測する上で重要な新知見を得た。
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