研究課題
細胞内における酸化還元(レドックス)状態(バランス)は、環境ストレス応答・防御を含む様々な生理機能の発現に深く関わっている。そこで、「植物のレドックス制御による環境ストレス応答の分子機構」を統合的に理解することを目指して、基盤A(平成19~22年度)の研究計画最終年度前年度の応募として研究戦略を再構築し、(1)葉緑体ROSを介した酸化的シグナリングの分子機構、(2)ヌクレオシド2-リン酸代謝による細胞内レドックス制御機構について解析した。その結果、葉緑体ROSに応答する遺伝子群の破壊株ラインを取得し、パラコート処理による酸化的ストレス感受性(oxs)および非感受性(oxi)変異株の選抜を試みた。その結果、それぞれ7つのoxs(oxs1~7)およびoxi(oxi1~7)が単離された。それらの原因遺伝子であるOXSsおよびOXIsには、6つの転写因子および1つのタンパク質キナーゼがコードされていた。現在、各遺伝子の過剰発現株の作出を進めている。一方、シロイヌナズナにおいてヌクレオシド2-リン酸代謝に関与するNudix hydrolaseの生理機能解析を行った結果、NADPH加水分解活性を有するAtNUDX19は光環境順応における光合成能や抗酸化能の制御のためのコアレギュレーターとして機能している可能性が示唆された。また、AtNUDX23はFAD加水分解活性を有し、リボフラビン生合成系をフィードバック調節により制御していることが示唆された。さらに、組換え酵素を用いた基質特異性解析から、細胞質局在型AtNUDX25および葉緑体局在型AtNUDX26において、シグナル分子(アラーモン)として機能すると考えられているppGpp加水分解活性活性が検出された。
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