平成22年度は、研究計画調書に記載の内容(4柱【柱1:タンパク質の局在・凝集・寿命の正常化】【柱2:タンパク質の分解排除の制御】【柱3:タンパク質フォールディングの精密制御】【柱4:マルチテンプレートライブラリー】)に則った研究をほぼ順調に遂行し、その実績については、昨年度末に提出した平成22年度科学研究費補助金報告書(研究実績報告書)に記載したとおりである。 しかし、平成23年2月までに、特定タンパク質の存在状態を制御するいくつかの化合物の創製と活性評価を終了し、平成23年3月に、創製した化合物群について規格化したサンプル調製と活性取りまとめを行う予定であったところ、東日本震災の影響で、当該の研究に必要な機器(濃縮装置用溶媒回収ユニット、ダイヤフラム真空ポンプ、ポンプベース)の納品が遅延し、そのため、当該物品費を平成23年度に繰り越した。 当該の研究については遅延の後、規格化したサンプルの調製が可能となった。当該の調製は継続的に行うものであるが、当初平成22年度の研究として計画していた部分の完了に伴い、特にタンパク質の小分子による特異的な分解誘導現象について、定量的な解析が可能となり、その分子機構解明に一定の解答を得ることができた。その成果は、平成23年の原著論文としての公表、ならびに学会発表に結びついた。 同時に、本繰越金にて設置した機器により遂行した研究により、本報告書と同時に提出する平成22年度科学研究費補助金報告書(研究実績報告書)に記載の成果を挙げることが可能となった。
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