• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実績報告書

サイトカインによる炎症と抗炎症のバランス制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22249009
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

吉村 昭彦  慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90182815)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワードサイトカイン / 炎症 / 抑制性T細胞 / 免疫応答 / 自己免疫疾患 / TGFーβ / Foxp3 / 胸腺
研究概要

TGFβはナイーブT細胞にFoxp3を誘導することができるが、Th1などのエフェクターに分化したT細胞には誘導できない。活性化型TGFβ受容体RIをエフェクターT細胞に強制発現した場合の効果を検討した。その結果TGFβによるFoxp3の誘導やIFNγの抑制はナイーブT細胞でのみ観察され、一旦活性化されたT細胞に活性化型TGFβ受容体を発現させても同様の現象はみられなかった。したがって活性化されたT細胞ではSmadだけではFoxp3を誘導することは難しいと考えられる。一方でSmad2/3両欠損マウスでもnTregの発生は正常に起こっていた。このことから胸腺においてはTGFβに依存しない何らかのFoxp3発現維持機構が存在することが示唆される。我々は活性化型T細胞を抑制型に転換するために、Smad非依存的にFoxp3を誘導しうる遺伝子を単離することをめざした。候補約150遺伝子を完全長cDNAライブラリーよりピックアップし、293細胞を用いたFoxp3プロモーター/ルシフェラーゼによる機能的なスクリーニングを行った。その結果核内オーファン受容体であるNR4a2がFoxp3プロモーターを直接活性化することを見いだした。NR4a2のみを欠損させたマウスは自己免疫疾患を自然発症しなかった。そこでNR4aファミリーの全て(NR4a1,NR4a2,NR4a3)をT細胞特異的に欠損させたTKOマウスを作成した。TKOマウスでは胸腺・末梢共にTregが全く存在しないことが明らかとなった。さらにTKO細胞ではネガティブセレクションが減弱していた。その結果、TKOマウスは激しい全身性の自己免疫疾患を発症し、生後3週間以内に死亡することが明らかとなった。これらの結果から、NR4aファミリー分子は同様の機能を持ち、互いに補い合いつつTreg分化に機能していることが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件) 備考 (3件)

  • [雑誌論文] Nr4a receptors are essential for thymic regulatory T cell development and immune homeostasis.2013

    • 著者名/発表者名
      Sekiya T
    • 雑誌名

      Nature Immunol.

      巻: 14 ページ: 230-237

    • DOI

      doi: 10.1038/ni.2520.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] IL-23-Independent Induction of IL-17 from γδT Cells and Innate Lymphoid Cells Promotes Experimental Intraocular Neovascularization2013

    • 著者名/発表者名
      Hasegawa E
    • 雑誌名

      J Immunol

      巻: 190 ページ: 1778-1787

    • DOI

      doi: 10.4049/jimmunol.1202495.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Peroxiredoxin family proteins are key initiators of post-ischemic inflammation in the brain2012

    • 著者名/発表者名
      Shichita T
    • 雑誌名

      Nature Medicine

      巻: 18 ページ: 911-917

    • DOI

      doi: 10.1038/nm.2749.

    • 査読あり
  • [学会発表] Molecular Bases for the Regulation of DC and T cell responses by TGF-β2012

    • 著者名/発表者名
      吉村昭彦
    • 学会等名
      第40会日本免疫学会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      20121205-20121207
    • 招待講演
  • [学会発表] The IL-23-IL-17 axis in the brain inflammation after stroke2012

    • 著者名/発表者名
      吉村昭彦
    • 学会等名
      The 34th Naito Conference
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      20121016-20121019
    • 招待講演
  • [備考] 関谷君の論文がNature Immunologyに掲載されました。

    • URL

      http://new.immunoreg.jp/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=62

  • [備考] 長谷川君の論文がJ.Immunolに掲載されました

    • URL

      http://new.immunoreg.jp/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=61

  • [備考] 七田君の論文がNature Medicine 6月号に掲載

    • URL

      http://new.immunoreg.jp/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=53

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi