研究課題
本年度における主たる成果は以下の通りである。(1)第14染色体父性ダイソミー(upd(14)pat)表現型を招く遺伝的機序:upd(14)pat表現型陽性例における胎盤の発現解析やメチル化解析により、世界で初めて、母性発現遺伝子RTL1asにコードされるmicroRNAがRTL1の発現抑制機能を有することを証明し、さらに、免疫染色や電顕解析により、upd(14)pat表現型陽性例の胎盤においてRTL1, DLK1の発現が確かに増加していること、upd(14)pat表現型陽性例の胎盤過形成が主にRTL1発現養成のpericyteの腫大によることを明らかとした。(2)Prader-Willi症候群発症における生殖補助医療のリスク評価:Prader-Willi症候群138例において生殖補助医療の有無と遺伝的発症原因を明確とし、生殖補助技術に直接的に関わる因子(排卵誘発や体外培養など)と生殖補助医療受けた背景となる交絡因子(高齢出産や不体質など)の影響を検討した。その結果、生殖補助医療出生児に高頻度にみられるダイソミーは高齢出産によりほぼ説明されるが、生殖補助医療出生児がプラダーウイリ症候群患者集団において一般集団よりも高いことから、生殖補助技術に直接的に関わる因子の影響も否定できないことが判明した。(3)シルバーラッセル症候群発症機序の解析:本症候群患者138例の解析を行い、H19-DMRのエピ変異を43例(グループ1)、第7染色体母性ダイソミー(upd(7)mat)を9例(グループ2)同定した。さらに、(a) グループ1が、グループ2に比し、より小さな生下時身長・体重、より大きな頭囲、より高頻度の左右非対称を有すること、(b) グループ1の患者の35.7%で複数DMRのエピ変異が存在すること、(c) グループ1の身長・体重はIGF2の発現量で規定されることを見出した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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