研究課題
(1)ミトコンドリア機能維持機構の基礎研究:p32全身性KOは胎生致死であった。樹立したp32ノックアウトMEF細胞株を用いた実験から、p32はミトコンドリアリボソームの大サブユニットと小サブユニットの安定的会合に必要であること、ミトコンドリアmRNAのシャペロンであることを示唆する結果を得て、p32がミトコンドリア内翻訳に重要であることを明らかにした。神経特異的KOマウスは著明の脳の空胞形成を起こすこと、心筋組織特異的KOマウスは心不全を起こすことを確認した。p32-/-MEF細胞では、炎症性サイトカイン分泌が亢進していること、細胞内シグナル伝達では、AMPKが持続的に活性化状態にあることを見出している。(2)ミトコンドリア検査診断システム:モデルサンプルで高速DNAシークエンサーを用高感度に点変異、欠失変異の両方を一度に定量できる系にたどり着けていない。そこで、平成24年度末に、研究室に、今まで用いていたのと異なる方式の卓上型次世代シークエンサーを導入した。そのシステムに合わせた検出系の確立を継続する予定である。(3)体細胞ミトコンドリアDNA解析:コホート研究のため、久山町住人3000人分のmtDNA中の約2 kbpの領域の配列を通常のダイレクトシークエンス法ですでに決定している。そのデータを用いて、メタボリックシンドロームの発症率が優位に低い一塩基多型(SNP)と、アルツハイマー病の発症率が優位に高いと思われるSNPも見出している。現在、コホートのための前向き観察を継続中である。また、メタボリックシンドローム関連では、そのSNPを持つmtDNAと対照mtDNAを持つサイブリッド細胞株をそれぞれ複数株樹立した。この両細胞間のエネルギー代謝中心にした代謝状態の比較のため、LC/MS/MSとGC/MS/MSを用いてメタボロームの解析中である。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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