研究分担者 |
吉岡 英治 旭川医科大学, 医学部, 准教授 (70435957)
佐々木 成子 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30448831)
室橋 春光 北海道大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (00182147)
中島 そのみ 札幌医科大学, 保健医療学部, 准教授 (70325877)
白石 秀明 北海道大学, 大学病院, 助教 (80374411)
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研究概要 |
1.胎児期の環境要因が児の成長発達や疾病発症に及ぼす影響を解明するために立ち上げた2つの前向き出生コホートの詳細な追跡調査を行い、胎児発育や学童期までの免疫アレルギー疾患、神経行動発達に及ぼす影響を検討している。1産院コホートでは、母体血のPCBダイオキシン類やMEHPなどを測定した。大規模コホートでは妊娠後期血漿中コチニンを16,980名測定した。2.1産院コホートでは、7歳児の食習慣・育児環境等の詳細な質問紙調査と認知機能検査(WISC-III)113名、前頭葉機能検査(KWCST)112名、遊びの性向(PSAI)132名、行動評価スクリーニング(CBCL)130名を実施した。 3.大規模コホートでは、8歳時1,192名に調査を実施し、ADHD(Conners3日本語版とADHD-RS)と遊びの性向(PSAI)をアウトカムに、睡眠、メディア接触時間、養育環境(HOME)、ライフイベントを調査した。さらに広汎性発達障害との鑑別のため自閉症スクリーニング(ASQ)と、社会環境要因として養育者のサポート状況、家族機能評価を864名から回収し調査継続中である。4.水銀、有機フッ素化合物など胎児期化学物質曝露が児のDNAメチル化へ及ぼす影響を、1 産院コホートの母児267組について解析した結果、水銀曝露濃度が高いほど、臍帯血のLINE-1メチル化率が上昇した(p=0.02)。5.1産院コホート母親421名について、ダイオキシン類異性体濃度とダイオキシン類代謝遺伝子(AHR,AHRR,CYP1A1,CYP1A2,CYP1B1)多型との関連を解析した。母体血中のMono-ortho PCBs濃度は芳香族炭化水素受容体AHRの遺伝子多型の影響を受ける可能性が示された(p=0.016)。PCDFs毒性等価量はCYP代謝酵素のうちCYP1A1の遺伝子多型で有意差が認められた(p=0.035)。
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