研究課題
浜松母と子の出生コホート研究(HBC Study)参加者の24カ月齢の言語発達(受容言語、表出言語)に焦点を絞り解析を進めた。出生体重を4段階(LowLBW群:<2000、HighLBW群:2000-2499、LowNBW群:2500-2999、NBW群:3000+g)に分け、既知の「低出生体重」の影響の再評価を行った。なお、児の性別、在胎週数、同胞順位、単胎・双胎の統制を行った。①出生体重は24ヶ月の受容言語に対して統計学的に有意な効果を及ぼしていなかった。表出言語に対しては有意な効果を有しており、NBW群の表出言語予測スコア平均値と比較して、LowLBW群では-1.9点(p=0.04)、HighLBW群では-1.0点(p=0.06)の差が認められた。LowNBW群で有意ではなかったことから、表出言語の発達に対する出生体重の影響は2500gを境に異なることが分かった。②出生体重と24ヶ月齢の表出言語の発達との関連を規定する統計学的モデルに、先行研究において関与の指摘されている胎児期・乳児期・幼児期の要因、母親側の社会心理学的要因を投入し、その交絡および交互作用を検討した。その結果、胎児期(母体の喫煙・飲酒、母体のステロイド使用)、乳児期(産後の両親の喫煙、離乳時期、6ヶ月齢体重)、幼児期(14ヶ月齢体重、睡眠パターン)、母体の年齢、教育歴、年収は交絡、交互作用とも示さなかった。一方、胎盤重量、母親のうつ病の既往歴、母子間ストレスは、交絡を示した。また、母親の産後うつ病は交絡、相互作用ともに示し、産後うつ病があることで平均スコアが-0.3点変化したほか、LowLBW群で-3.3点、HighLBW群で-0.7点の変化がみられた。③表出言語を指標とするならば、出生体重の影響は2500g以上・未満で異なること、その影響は母親の産後うつ病と交互作用を有していると結論付けられた。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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