研究課題
本研究の目的は、糖尿病の超早期・予防診断を目指して、『機能性ユニット結合型分子プローブ』という新しい分子設計概念に基づき、膵島β細胞に特異的・選択的に集積するPET/SPECT用分子イメージングプローブを設計・創生し、それを用いて膵島β細胞数を体外から非侵襲的に定量イメージングする方法を構築することである。これを達成するため、膵島β細胞に特異的に発現している4種類のタンパク質(GLP-1受容体、GPR40受容体、GLUT-2、ACE)を標的としたプローブ開発を計画した。初年度はまずGLP-1受容体、GLUT-2を標的としたプローブ開発を行った。GLUT-2に対しては、糖骨格を母体とした放射性フッ素標識プローブを設計・合成した。GLP-1受容体に対しては、それに親和性を有するペプチドを母体として、放射性フッ素および放射性ヨウ素標識プローブを設計・合成し、単離膵島を用いてGLP-1受容体に対する親和性評価を行ったところ、両プローブともnMオーダーの高親和性を示した。体内分布実験では膵臓に30%ID/g以上の集積を認め、膵島β細胞選択的に集積するプローブとして有望であると考えられた。次年度以降、これらのプローブの構造最適化を図るとともに、他の2種類の標的に対する分子プローブ開発を進めることで、膵島β細胞に特異的・選択的に集積するPET/SPECT用分子イメージングプローブを設計・創生し、それを用いて膵島β細胞数を体外から非侵襲的に定量イメージングする方法を構築する。
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