研究課題/領域番号 |
22249057
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
宇佐美 真一 信州大学, 医学部, 教授 (10184996)
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研究分担者 |
工 穣 信州大学, 医学部, 准教授 (70312501)
東野 哲也 宮崎大学, 医学部, 教授 (80145424)
佐藤 宏昭 岩手医科大学, 医学部, 教授 (40215827)
長井 今日子 群馬大学, 医学部, 助教 (50302469)
熊川 孝三 公益財団法人冲中記念成人病研究所, 虎の門病院, 研究員 (40142252)
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キーワード | 内耳 / 遺伝子 / 感音難聴 / 次世代シークエンサー |
研究概要 |
難聴の原因遺伝子はおおよそ100種類ぐらい存在すると考えられているが、従来の直接シークエンス法ではスループットが低いため、数個の遺伝子を解析するのが限界であり、遺伝子変異を検出できない例が多く認められる状況であった。 本研究では、次世代シークエンサー(ゲノムシークエンサー)を用いることで、難聴の原因候補遺伝子の全塩基配列を決定し、網羅的に解析を行うことで、より診断率を向上させることを計画した。 平成23年度は、前年度までに引き続き、難聴患者約200名を対象に、コバリスを用いてDNAをおおよそ200塩基に断片化した後に、Agilent社のSureselectを用いた選別法により、候補遺伝子領域を含むDNA断片の濃縮を行った。濃縮後はシークエンス用のアダプターを付加した後に、ブリッジPCRを用いてDNAの増幅を行ない、次世代シークエンサーにより全塩基配列の決定を行なった。 Agilent社のSureselect等を用いた候補遺伝子領域の選択的濃縮に際しては、海外の文献や、Hereditary Hearing loss Homepageを参考に、既に報告されている難聴の原因遺伝子や、まだ遺伝子までは明らかになっていない原因座位に対するビオチン化オリゴをカスタム合成し、pull down法により選別した。 現在サンガーシークエンスを用いた確認作業を進めている状況であるが、200名の難聴患者の解析により、既に230カ所以上の新規ミスセンス変異、17種類のスプライシング変異、5種類のナンセンス変異を同定した。十分な成果が得られており、次年度以降に向けて順調に解析を実施できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画当初に予定していた通りにサンガーシークエンスによる確認作業を行い、遺伝子変異が多数同定されつつある。
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今後の研究の推進方策 |
次世代シークエンサーにより見出され、サンガーシークエンスにより確認された遺伝子変異に関しては、家系の解析およびコントロールサンプル中での頻度解析などを行うとともに、論文として研究成果を報告する。
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