オステオネットワークの維持と破綻:顎顔面骨疾患の病態解明を目指した基盤研究

2010 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 22249061
• 研究機関: 東京医科歯科大学
• 研究代表者: 山口 朗 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (00142430)
• 研究分担者: 飯村 忠浩 東京医科歯科大学, 歯と骨のGCOE拠点, GCOE拠点形成特任教員 (20282775) ; 坂本 啓 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (00302886) ; 玉村 禎宏 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 特任助教 (70431963)
• キーワード: オステネットワーク / 骨芽細胞 / 骨細胞 / 破骨細胞 / Notch / CCN3 / 矯正的

研究概要

骨内外の緊密なコミュニケーションを担っている細胞・分子群の相互連関をオステオネットワークという概念で捉え、以下の研究を行った。
1.骨芽細胞・骨細胞・破骨細胞間ネットワーク維持機構の解析
(1)骨芽細胞・骨細胞・破骨細胞間ネットワークを可視化するための骨バイオイメージング法の開発の基盤を構築した。
(2)骨芽細胞・骨細胞・破骨細胞間ネットワークにおけるNotchシグナルの役割を解析するために、Notch関連分子のトランスジェニック(Tg)およびノックアウト(KO)マウスを作成し、表現型を解析した。
2.矯正的歯牙移動モデルマウスを用いたメカニカルストレスによるオステオネットワークの維持機構解析
・骨細胞で特異的にジフテリア毒素受容体)DRT)をdmpl promoterを用いて骨細胞で特異的に過剰発現させたTgマウスにジフテリ毒素を投与して骨細胞を特異的に死滅させると、破骨細胞性骨級が減弱し、矯正的歯の移動も減少することを明らかにした。
3.骨再生過程におけるCCN3の役割をCCN3 TgおよびKOマウスを用いて検討中。
4.ヒト口腔癌による骨破壊モデルマウスを用いて抗RAKL抗体の投与が顕著に癌による骨破壊を抑制することを明らかにした。

研究成果

• [雑誌論文] Concurrent downregulation of keratin an keratin 13 expression eines the neoplastic lesion of oral.epithelium and serves as an ideal marker for oral squamous cell carcinoma and oral epithelial dysplasia. (2011)
  • 著者名/発表者名: Sakamoto K, Aragaki T, Kawachi H, Katsube K, Miki Y, Takizawa T, Omura K, MoritaK, Okada N, Yamaguchi A
  • 雑誌名: Histopathology 巻: 58 ページ: 531-542
  • 査読あり
• [雑誌論文] Acerogenin A, a natural compound isolated from Acer ni oense Maxim, stimulates osteoblast differentiation through bone morphogenetic protem action. (2011)
  • 著者名/発表者名: Kihara K, Ichikawa S, Yonezawa T, Lee JW, Akihisa T, Woo JT, Michi Y, Amagasa T, Yamaguchi A
  • 雑誌名: Biochem Bioph Res Commun 巻: 406 ページ: 211-217
  • 査読あり
• [雑誌論文] Comparative morphology of osteocytes in aquatic an an vertebrates. (2011)
  • 著者名/発表者名: Cao L, Moriishi T, Miyazaki T, Iimura T, Tamamura S, Komori T, Yamaguchi A
  • 雑誌名: J Bone Miner Met 巻: In press
  • 査読あり
• [雑誌論文] Maf mediates the age-related switch in mesenchymal cell. (2010)
  • 著者名/発表者名: Nishikawa K, Isogai M, Nakashima T, Takeda S, Michito, Hamada M, Kimura A, Kodama T, Yamaguchi A, Owen MJ, Takahashi S, Takayanagi H
  • 雑誌名: J Clin Invest 巻: 120 ページ: 3455-3465
  • 査読あり
• [雑誌論文] Repetition of continuous PTH treatments followed by periodic withdrawals exerts anabolic effects on rat bone_ (2010)
  • 著者名/発表者名: Etoh M, Yamaguchi A
  • 雑誌名: J Bone Miner Metab 巻: 28 ページ: 641-649
  • 査読あり
• [雑誌論文] Roles of IL-6 an r in osteoc ast formation associate with oralcancers: The significance of IL-6 synthesized by stromal cells in response to cancer cells. (2010)
  • 著者名/発表者名: Kayamori K, Sakamoto K Nakashima T, Takayanagi T, Morita K, Omura K, Nguyen ST, Miki Y, Iimura T, Himeno A, Akashi T, Yamada-Okabe H, Ogata E, Yamaguchi A
  • 雑誌名: Amer J Pathol 巻: 176 ページ: 968-980
  • 査読あり
• [雑誌論文] Deficiency of chemokine receptor CCR1 causes osteopenia due to impaired functions of osteoclasts and osteoblasts. (2010)
  • 著者名/発表者名: Hoshino A, limura T Ueha S, Hanada S, Maruoka Y, Mayahara M, Suzuki K, Imai T, Ito M, Manome Y, Yasuhara M, Kirino T, Yamaguchi A, Matsushima K, Yamamoto K
  • 雑誌名: J Biol Chem 巻: 285 ページ: 28826-28837
  • 査読あり
• [雑誌論文] Comprehensive keratin profiling reveals distinctions between keratocystic odontogenic tumor and orthokeratinized odontogenic cyst. (2010)
  • 著者名/発表者名: Aragaki T, Michi Y, Katsube K, Uzawa N, Okada N, Akashi T, Amagasa T Yamaguchi A, Sakamoto K
  • 雑誌名: Human Pathol 巻: 42 ページ: 1718-1725
  • 査読あり
• [学会発表] 骨再生のメカニズムと骨再生療法 (2010)
  • 著者名/発表者名: 山口朗
  • 学会等名: DENTISTRY, QUO VADIS?
  • 発表場所: 東京都
  • 年月日: 2010-12-05
• [学会発表] 骨代謝の基礎と骨再生 (2010)
  • 著者名/発表者名: 山口朗
  • 学会等名: 平成22年度日本小児歯科学会秋期大会
  • 発表場所: 郡山市
  • 年月日: 2010-12-02
• [学会発表] オステオネットワークの維持と破綻:顎顔面骨疾患の病態解明を目指して (2010)
  • 著者名/発表者名: 山口朗
  • 学会等名: 第58回NPO法人日本口腔科学会中国・四国地方部会
  • 発表場所: 広島市 招待講演
  • 年月日: 2010-11-16
• [学会発表] 骨形成と血管石灰化の共通点と相違点 (2010)
  • 著者名/発表者名: 山口朗
  • 学会等名: 第28回日本骨代謝学会学術集会
  • 発表場所: 東京都
  • 年月日: 2010-07-21
• [学会発表] 再生医療「骨再生」-そのメカニズムと応用- (2010)
  • 著者名/発表者名: 山口朗
  • 学会等名: 平成22年日本歯科医師会生涯研修セミナー
  • 発表場所: 津市
  • 年月日: 2010-06-27
• [学会発表] ビスフォスフォネート関連顎骨壊死(骨髄炎)の病理 (2010)
  • 著者名/発表者名: 山口朗
  • 学会等名: 第64回日本口腔科学会学術集会共催
  • 発表場所: 札幌市
  • 年月日: 2010-06-25
• [学会発表] 再生医療「骨再生」-そのメカニズムと応用- (2010)
  • 著者名/発表者名: 山口朗
  • 学会等名: 平成22年日本歯科医師会生涯研修セミナー
  • 発表場所: 水戸市
  • 年月日: 2010-05-23
• [学会発表] ビスフォスフォネート関連顎骨壊死の病理 (2010)
  • 著者名/発表者名: 山口朗
  • 学会等名: 東京都臨床整形外科医会統合研修会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2010-05-15
• [学会発表] 蛍光イメージングによる骨細胞の形態・機能分化の計測 (2010)
  • 著者名/発表者名: 姫野彰子、仲根綾子、和泉雄一、山口朗、飯村忠浩
  • 学会等名: 第30回日本骨形態計測学会
  • 発表場所: 米子市
  • 年月日: 2010-05-14