研究課題/領域番号 |
22249062
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
小守 壽文 長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (00252677)
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研究分担者 |
増山 律子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (60297596)
林 日出喜 長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (10218589)
伊藤 公成 長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (00332726)
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キーワード | Runx2 / FGF / Wnt / Tcf7 / 骨格形成 / 骨芽細胞 / 軟骨細胞 / 転写因子 |
研究概要 |
骨格形成では、骨芽細胞分化のマスター遺伝子であるRunx2の他に、線維芽細胞増殖因子シグナル(FGFシグナル)やWntシグナルが重要な働きをしている。Runx2とFGFシグナルの関係を調べたところ、FGFはRunx2の遺伝子発現を促進させるとともに、Runx2の蛋白修飾によって、その活性を増加させていた。さらにRunx2はFGFレセプターの発現を直接調節していた。したがって、Runx2とFGFシグナルは相互に正に調節していることが明らかとなった。Runx2が調節する遺伝子をマイクロアレイで解析したところ、Wntシグナルを伝達する転写因子Tcf7が、Runx2によって発現上昇していた。また、Tcf7はRunx2ノックアウトマウスの骨格では発現が低下していた。Runx2はTcf7のプロモーター活性も上昇させ、直接制御していると考えられた。また、Tcf7の機能を抑制する、ドミナントネガティブ型のTcf7を用いて、軟骨細胞特異的なトランスジェニックマウスを作製したところ、軟骨細胞の増殖の抑制、分化の遅延が認められた。Runx2は軟骨細胞の増殖、分化を促進する分子であるため、Runx2のこれらの作用の一部はTef7の誘導を介して行われていると考えられた。Wntシグナルは、Runx2の発現を誘導するため、Runx2とWntシグナルも相互に正に調節していると考えられた。このように、主要な因子、Runx2、FGFシグナル、Wntシグナルは、相互作用することにより、骨芽細胞分化、軟骨細胞分化を調節し骨格形成を制御していることが明らかとなった。
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