研究分担者 |
滝川 正春 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (20112063)
園山 亘 岡山大学, 岡山大学病院, 助教 (40325121)
辻 孝 東京理科大学, 総合研究機構・社会連携部, 教授 (50339131)
浅原 弘嗣 成育医療センター研究所, 移植外科研究部, 部長 (70294460)
|
研究概要 |
平成22年度は,マウス組織の観察から得られた歯胚発生期に特異的に発現する未報告遺伝子を中心に,それらの因子の歯胚発生における機能解析を行うため,siRNAを用いた遺伝子ノックアウトシステムの確立を行った.つまり,胎生11.5日のマウスから下顎骨を採取し,ex vivoにてsiRNAを遺伝子導入し,ノックアウトした遺伝子が歯胚の上皮間葉相互作用および歯胚発生に与える影響を形態学的,組織学的に検討することとした.初めに,下顎骨のex vivoでの培養条件の検討を行い,5%ウシ血清含有BGJb Mediumを用いて培養することで組織が壊死することなく発生することを組織学的に確認した.しかし,その発生速度はマウス母体内の通常発生と比べ,約半分程度であった,現在,siRNAを遺伝子導入し,今年度購入したマイクロCTを用いた形態学的評価,ならびに組織学的評価を行なっている. さらに,上記因子の直接的な機能だけではなく,その上流下流を制御している因子群を包括的・網羅的に解析するため,ヒト歯原姓上皮細胞と歯原性間葉細胞のcDNAマイクロアレー解析を行った,それぞれの細胞のシグナル伝達ネットワークの中でこれらの同定した28因子がどのように関与しているのかを現在解析中である. また,器官原基法などを用いた人工的な歯胚構築に応用可能なヒト細胞シーズの検索を開始した.まず,エナメル芽細胞とその前駆細胞を含むヒト歯小嚢組織とヒト培養間葉細胞の再構成で,ヒトの歯が再生されないかを検討した.ヒト培養間葉細胞としてはヒト歯乳頭由来幹細胞を使用し,上皮細胞層を含む歯小嚢組織上に直接間葉細胞を播種した群と,シート状に培養した間葉細胞で歯小嚢組織を被覆した群をそれぞれ短期間培養し,SCIDマウス背部皮下へ移植し,歯胚発生が起こるか現在経過を追っている.
|